男の料理
男の料理が進行中。とは言っても、昔ながらの豪快とか大胆とか、贅を尽くし
た、というイメージでは無くかなりちまちました家庭料理をおじさん達も覚えま
しょう、というノリ。実は今日も行政がらみで男の料理教室の講師依頼が2件。
料理から足を洗いたいと以前は思ってたから、乗り気ではないのも事実だけれ
ど、家族再生センターを回していくためには、ぜいたくはいってられません。と
りあえず、ギャラの設定だけはしておいて、OKはだしました。むこうが飲めば
交渉成立。話すだけなら、少しは安くても引き受けるけれど、料理教室となる
と、レシピづくり、アシスタント費用、何もできないのにプライドは高いおじさ
んにも納得できるように、きめ細かい指示、と、講演の5倍くらいの時間も心的
エネルギーも使いますからね。
行政は以前から男の料理教室をやる所はありました。それは、男女共同参画の
流れの中での位置付けで、あくまで主体は女性で、男は女性の足を引っ張らない
ようになるために、というイメージがあります。だからもともとの動機は少し不
純です。そこで講師を選ぶ時に、そのあたりをちゃんと理論だてて分かりやすく
説明できてなおかつ料理の指導もできる人となると、日本中探してもそんなに多
くはいないでしょう。
それにしてもおじさんの料理教室はすごいですよ。何がおこるかわからないっ
すから。とんでもない間違いをすることもしばしばありますし、本人はそのこと
にまったく気付かない、周りも気付かない、ということ。てきぱきしてるから大
丈夫と油断してたら、違うメニューになってたり、一つ説明したら、そのことを
忠実にやり続けて失敗するとか。例えば、15分ほど煮て火をとめて下さい、と
言ったとしたら、その人は正確に15分まっているのです。真剣に時計を見なが
ら。鍋がこげていることにも気付かず。そこで、中火でほどほどの煮汁のこさに
なるまで、15分程度かな、というと、もう、パニックに。中火がどの程度か、
ほどほどの煮汁のこさ、なんて、どうやって確認したらいいのか、わからない、
ということ。
けれどそんなおじさん達が真剣にやる姿はなかなかいじらしいし、かわゆいも
の。ニコニコして、できました、おいしーですぅ、といって下さるのは、私も有
り難いしうれしい。でもさすがに疲れるね。
そんなおじさん達も料理がきっかけで、家族との関係がかわったり、人生が変
わったりすることもあるもんなぁ。