マスコミ
先日某新聞の取材を受けました。これまでも新聞やTVではなんどもお世話になっている私です。が、家族問題、暴力問題になるとどうも後味の悪い結果になってしまってました。ひどいのはNHK、取材協力の意図とはことなる番組内容に改変されて、脱暴力グループワークは遠い希望の灯火で安易に期待すべきではない、被害者の痛みを忘れちゃダメだ、などなど、これまでのDV言説の視点での解説で落合恵子がコメントして、男の痛み(男の被害者性)を他者が理解する事で、男自身が自らの加害者性を受け入れる事が可能となる、という脱暴力の本筋が吹っ飛んでしまいました。その前のNHKでもN教授のクローズアツプのために、私がファシリをやったワークなのに、私はモザイクかけられてしまってました。番組の流したいイメージ作りのためには事実を加工して流すのがTVだと、その時学びはしたものの・・・。先日の新聞取材ではその新聞は家族問題を継続的に追いかけ、記事にして来たとの事。そろそろ仕上げにかかりたいとの事。ずっと以前私の事務所から届いたDMを見ての取材だとか。私は、家族の暴力は単に個人の精神病理としてあるのではなく、社会に普遍的に存在する権力構造とその構造に適応する個人の学習の問題とがあり、加害者個人の資質の問題、その家族の問題、とする、専門家言説やそれを報道するマスコミのありよう、その価値観に依存する市民の暴力性こそ問われるべき、と説明しました。もちろんそれが真実としても、それを記事にして書いてもだれも理解できなくては無意味だし、また真実を理解し得ても、脱暴力のために読者に何ができるのかわからないと、それもまた無意味になつてしまうし・・・とのことで取材したまじめそうな記者さんは頭を抱えておられました。個人の問題に転嫁してひどい親がいて、とかひどい夫がいてとか書くとみなさんに納得してもらうのは難しくないけれど・・・それでは当事者を追いつめるだけになって、よけいに当事者を孤立させ、暴力がおこりやすい状況になってしまいます。ああ、ほんと難しい・・・既存の権力構造を否定する意見はマスコミには乗せにくいし、脱暴力の真実を伝えるにはマスコミを利用するしかないし・・というダブルバインド状況です。さてどうしましょう。いい知恵あれば教えてくださいね。