離婚請求・・・再構築のチャンス?
私のところには、夫のDVやモラハラで困っているという妻さんが相談に来ることも少なくないし、妻に離婚請求されているとか、妻が突然家を出たとかいう夫さんが来られることも少なくありません。女性に対しては、相談窓口(質の問題はさておいて)はたくさんあるし、被害を受けたと言えば、あなたは悪くないと受け止めてくれることが多いので、結果はともかく孤立することはあまりありません。けれど、男性に対しては、まず相談窓口がほとんどないし、妻にこんなにひどいことをされたと言っても警察も司法もあまりとりあってくれません。ましてや男が逃げ込めるシェルターもありません。ですから夫は状況も妻の心理もわからず、一人で問題を抱え込み自分なりに判断し、対応しようとします。とどのつまり夫は妻をコントロールすることしか問題解決の道筋が考えられないというのもしかたないのかもしれません。それに対して妻は「DV男は何を言っても通じないし、DVは治らない、唯一逃げて離婚することが問題解決」という多くの支援者の言葉を聞くことになります。このボタンのかけ違いが必然的に起こる状況があるのですが、そのことについて本人たちは何も理解できていません。だから妻は夫には何を言っても通じないのなら、問題が激化する前に、黙って家を出るしかないという判断になります。夫にすれば、対立はあったものの落ち着いてたのにどうして突然家を出たのか、あるいはしばらく実家に帰ると言ってたのに、家に帰ることもなく離婚調停をたてられた、わけわからん・・ということになることも少なくありません。ほんとは、離婚するしないというのは問題の本質ではないし、それでは解決することもないのですが、今の法律や支援制度の中では、DVに対しては分離保護、離婚の支援しか、支援する方法がありません。問題の本質は、夫婦の価値観のずれやコミュニケーション不全、ジェンダーバイアスやら人権意識の低さ、深いところでは双方のメンタル面での問題や認知の偏り、など本質的な問題が双方にあり、結果DVやモラハラが表面的な現象として起こるわけです。この本質的な問題についてそれぞれが自分と向き合い、自己成長することでお互いを尊重し自由で対等な対話のできる夫婦になることができます。その結果、離婚が最善となれば、子供が傷つかないような離婚を選ぶこともできるし、離婚しなくても豊かな夫婦関係を再構築することも可能となります。多くの当事者に対して私が伝えるのは、離婚するかしないかというのは大きな問題ではなくて、信頼関係ができるかできないかということが大きな問題ですよ、ということ。先日の男性に対しても、私は「彼女の離婚の言葉に対して過剰反応せずに、一人になってはじめて自分の問題が見えてきたし、その問題と向き合うから離婚の判断についてはしばらく時間をください、と伝えては如何ですか」と助言させていただきました。もちろんその言葉が空疎にならないように、実際にグループワークやカウンセリングに参加することを前提とさせていただくわけですが。家を出る妻にはそれなりの理由があるのもわかるし、突然妻に家を出られて一切対話もできず理由もわからないまま理不尽な離婚請求がなされる夫の困難や不安もよくわかります。そんな状況になった方に対して私が伝えるのは「離婚請求は家族の崩壊を意味するのではなく双方が問題を理解し、より良い家族関係を再構築するチャンスにできるんですよ」ということ。逆に言えば、問題を抱えた者同士が相互依存的に結婚しちゃうから、そりゃいつか破綻するということかもしれません。なのに日本人は結婚したがるし、家族幻想に縛られてるし・・・・。欧米では多くの国で、産まれる子供の半数近くが非嫡出子、いわゆる結婚しない夫婦関係がもう普通ということ・・なのにね。そういえば、先日渋谷区でパートナーシップ条例に基づいて手続き申請が始まったとのこと、マイノリティーがマジョリティーと同じ権利を有するということ自体は喜ばしいことだけれど、わざわざ不自由であまり意味のない婚姻制度にマイノリティーが乗っからなくてもいいように思うんだけれどなあ。女性が女の兵役志願制で男女平等だと喜ぶわけではないのと同じで、ほんとは男も女も兵隊にならなくて済む社会にすべきだと思う。これと似たような問題と思います。そうそう、自民党の女性議員が女も男も自衛隊に体験入隊すべきだなんてバカなことを言ってたらしいけれど、自分の命は安全圏に置いといて若者の命を軽んずる、こんな輩を議員にしてるんよねえ、日本国民は。腹立たんのかしら・・今度の選挙でどうするんかなあ。多くの方にメッセージを届けるために、ブログに納得してくださったら、ワンクリックお願いします♫ にほんブログ村