味くんの家族再生支援日記

2008/08/15(金)01:38

動機

メンズカウンセリング(370)

今日の男のワークで、私も自分の事を語りましたが、それは、私の心のバランスを保つための仕組みです。私が常々書く事ですが、私は日々の仕事と言うか活動はまったくの無償労働になっています。 自分でもよくやってるなあと感心しています。仕事の合間のボランティアではなく、毎日ほとんど土日も休まず、朝から夜まで、なんやかややっていますが、その動機は怒りのエネルギーです。 傷つけられ、抑圧された、私の個人的な体験からくる怒りを、暴力にして社会に還元するのではなく、抑圧する社会構造を解体するためのエネルギー源にしています。 従って抑圧する行為、差別する人に対しては怒りの矛先を向けるのも当然です。そしてそれは抑圧される者に対する共感にもなります。 当事者に対する真摯で受容的な態度も、暴力的な権力者に対する攻撃的な態度も私の中では同じものなのです。 その他、ストレスを発散するための方法も語りました。私の場合、買い物とか、料理とか、一見不道徳、お下品なことも含めて、いろいろシステムが稼働しているのでストレスはたまらない、と。 困難を抱える当事者はしばしば、生育の中で親や教師に条件付きの受容、愛情で育てられるから、無条件で自己肯定できる自尊感情が育たず、他人の評価が得られないとき、自身を失い、自己目的を喪失してしまいます。 内発的な動機がないのですから、何をしていいのかわからず、且つ失敗も怖く、何もできない状況に追いつめられてしまいます。とても苦しい状況になります。 こんなときしばしば効を奏すのが退行という現象でしょうか。赤ちゃん返りだったり、幼児退行だったりします。そこで親なり援助者なりが退行した本人を無条件で受容し存在を肯定してくれたとき、自己信頼感が育ち、やがては内発的な動機が芽生えてくるようになります。 ずっと以前、一年ほど子どもさんの暴力や引きこもりで、とてもとてもつらい状況にあったご両親が来談されました。とにかく、つらいけれど子どもさんの怒りを聴いてあげてほしい、あなた方がしんどい分は私が聴かせてもらいますし、との助言をしました。 怒りが出尽くした後、こどもさんは退行がはじまりました。それは、こどもさんなりの育ち直しをはじめたということですが、何も知らなければ、こどもの幼児返りを理解する事も受け止める事もできず、さらに追いつめてしまう事も世間ではしばしばあります。 あれからかなり時間も経っているのですが、今頃はきっとその子どもさんも育ち直しをとげ、内側からの欲求が動機となり、自分の人生や日々の暮らしを支える事ができるようになっているのではないか、と勝手に妄想しています。

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