味くんの家族再生支援日記

昨夜はグルメナイトでした。大人十人、子ども三人のにぎわい。六十品目のメニューを用意して七時にオープン。お客はほとんど、私のクライアントや元クライアントやその関係者など、ＤＶを克服中のカップルだったり、離婚協議中の方、離婚を達成されて、自由に生きておられる方、などなど。

もちろん女性も男性もいますし、加害者と言われる人も被害者と言われる人も。そんな人たちがビールを飲み食事しながら、ＤＶの克服について議論している風景って・・・なんとも面白いものです。多分、世間ではあり得ない風景でしょうから。

内閣府は、加害者プログラムは被害者の集まる場所では行わないように、なんて通達を出しているけれど、加害者も被害者も楽しそうに語り合ってるなんてことは考えられないんだろうなあ。

ＤＶ加害者は何をするかわからない危険人物・・・なんていうイメージは事実とはかけ離れた妄想なのに、その妄想が一人歩きして、却って危険な状況になっているのが現実。

しっかりしたサポートがあれば、加害被害に関わらずそれぞれが抱える問題を理解し、自分を成長させます。そんな成長のプロセスにある方は、加害被害、それぞれの立場や体験に学びあう事も可能です。

暴力だけでなく、離婚や家族、人生やセックス等についても話しは及びます。そんな大人たちの会話を聴きながらも子どもたちも大人にコントロールされる事もなく、場を共有し楽しみます。その中で今の家族の有り様についての矛盾や葛藤も理解していきます。

親にコントロールされる事なく、親の本音の会話を聴く事のできる子どもなんて、ほんと今の家族では、どこにもあり得ないと思うけれど・・・親の対立や家族間葛藤の本質を理解できれば、子どもたちも人間関係を建前ではなく、その真実を学びながら育つ事も可能と言うもの。

グルナイに来る子どもたち・・月に一度の集いだけれど、ここ三年の付き合いの中でもどんどん成長していくのがとても心地よくて・・。もちろん子どもたちだけでなく、大人たちもその暮らし方や価値観がどんどん成長していくのが見えてきて、とても嬉しいもの。

たくさんの子どもや孫が集まってその暮らしについてわいわい語り合っているような風景、と言えばイメージが伝わりやすいかな。私はそのうちの主というか、実家のお母さんの役割です。私は耳だけを語りに寄せながら手は、どんどんオーダーされたメニューをこなしていきます。

日替りになる頃に、すっかり安心して寝入っている小さな子どもを起こして、家路につく母子、ひとりのうちに帰るシングル男性、一緒に帰るカップル・・グルナイは店じまいとなります。

私は黙々と後片付けをして全部終わるのは二時ころ。よく仕事しました、私も自分にご褒美の言葉掛け「おつかれさーん」。確かに、収益からみれば、かけた時間の割りにはなんの意味もないグルメナイトですが、参加者の楽しそうな会話やそこから見えてくる育ちあう関係がなにより楽しみで、私もやめられません。

ＤＶや虐待、虐めや体罰、などいろいろ騒がれるけれど、暴力の本質を理解し、その克服を促すには、善悪で説供する場がいくらあっても無意味でしょう。共に育ちあう場や関係があれば、パワーにコントロールしない、されない行動を身につける事も難しくないように思う私。

こんな私の支援のあり方について、専門家が学びにくればいいのにね。ははは・・無理だろな、彼らには（笑）