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DV加害者プログラムは日本ではまだまだ認知されてなくて、催行されている所もわずかです。十年ほど前に大阪府や千葉県が試験的にプログラムを行っています。いずれも、フェミニストサイドでのプログラムで有効性は証明されませんでした。大阪府の場合はファシリテーターがどんな方か知ってるし、参加された当事者の意見も聞いてます。参加された何人かから話しを聴いたけれど、当事者からの評価は散々でしたし、内容は私が聴いても、そりゃあかんでしょう、というレベルのものです。
大阪にしても千葉にしても、私も多少はそのいきさつにまったく無関係でもなくて、あれあれーそんなんでいいのーって、疑問を感じてたけれど、案の定・・・その私の感じた違和感は、プログラムそのものが権力とか権威を振りかざして加害男性の更正を計るとか、脱暴力を教育するとかであって、パワーコントロールの何ものでもないと言うこと・・・ DVの本質は暴力というよりパワーコントロールです。暴力をやめても、様々なパワーで相手をコントロールしていては対等で平等な関係にはなりません。 今のDV支援は、暴力にのみフォーカスししかも加害者は男性という誤った前提で成り立っています。これでは本質的な解決にはなりません。暴力は表面的な現象です。被害者が無意識に加害者をコントロールしようとする心理や離婚しても不安や恐怖に支配される被害者の心理について、支援はまったく理解できていません。すべて加害者の更正されるべき人格的な問題に転嫁していますから、被害者は離婚さえすれば解決すると指導されるし、加害者も暴力を振るわなければ、問題解決かのごとく短絡的な対応をされてしまいます。 この表面的で意味のない?プログラムを大阪府も千葉県も行政としては先駆的(笑)に行った訳ですが・・・・私の意見なんか聴こうともしなかったのだから・・当然の事ですよねえ。 で、最近も各地で加害者プログラムが開催されているようですが・・・いずれも問題を加害者の認知やら価値観に還元して、教育だの更正だのを押し付ける暴力的な構造を内包しています。暴力は犯罪ですやめなさい、と(優しい言葉で)暴力的に指導する事に意味があるのか・・有効性は低いだろうなあ、というのが私の判断です。 先日もある女性のクライアントのお話をお聴きしてたけれど、夫は確かにアンガーマネジメントを学んで暴力を振るわなくなったし、夫本人も脱暴力を達成したと主張するとの事。たしかにそーなんだけれど・・なんか素直に夫の求めに応じての再同居に踏み切れない気持ちが残るのはどうしてか、と相談に来られたと言う訳。 一般のDV支援では加害者は変わらないから分離保護、離婚という選択肢しか提示しません。その選択肢に乗らなければ支援はなくなります。支援に乗らなかった人は、困り果てると言う訳ですが、わたしはそういう人たちの受け皿にはなっています。離婚を選択してもしなくても私の支援は受けられますから。 で、その方の感じた違和感に対して、私は「暴力はなくなってもパワーコントロールが続いてるし、そのコントロールは優しいコントロールになってるからよけいに見えづらいよねえ」と説明させて頂きました。 アンガーマネジメントでは怒りを暴力に転化せず、アサーティブに伝えようと言うもの、それはそれで大切だし脱暴力には不可欠の作業です。更正プログラムでも教育プログラムでもその点は踏まえています。が、怒りの問題ではなくパワーコントロールという問題にフォーカスした場合、問題はとたんに見えにくくなり、対応も難しくなります。 暴力は物理的な圧力で相手の行動を抑止し自分の意図に従わせると言う行動。暴力を使わず、相手の不安や恐怖心を操作してコントロールする事も可能、これは暴力のプロが行う方法。さらに権威や権力、知識や資格などで相手のコンプレックスや無知を利用してコントロールするのが、いわゆる学者や専門家と言われる人たちの方法。さらに、泣いたりすねたり、媚びたり、優しくしたりすることで相手の優越感、責任感を刺激してコントロールする方法もあります。これは加害者のハネムーン期のやり方でもあるしいわゆる女性の用いる方法・・・などなど、相手をコントロールする方法は様々。 これらの様々な方法で相手をコントロールしようとする家族関係がありますが、そのコントロールするされる関係あるいはコントロールしあう関係が、共依存の関係と言えなくもありません。単に物理的な暴力だけをなくしても、狡猾な加害者になると言われるように、コントロールがより巧妙になるだけ。大阪府や千葉県が失敗?するのは当然ですねえ。 ということで、私のプログラムはファシリも権威や権力、資格や知識で加害者を脱暴力へとコントロールする事をしません。パワーコントロールを用いない事の心地よさやら、豊かな人間関係に気づいてもらうと言う事を基本にしています。そのためにファシリも極力パワーコントロールしないよう気をつけています。 けれど、この価値観って、力が正義みたいな近代的な価値観とは違うので・・・なかなか伝わらないですよねえ・・はあー ![]() 多くの方にメッセージを届けるために、ブログに納得してくださったら、 ワンクリックお願いします♫ ![]() にほんブログ村
Last updated
2014/12/04 11:06:40 AM
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