味くんの家族再生支援日記

昨夜は男ワークでした。久々の参加者も合わせて11人の集まりとなりました。ファシリは私。お題は「白旗の力」です。多くの男は優位性に価値を見出していて、勝ち負けにこだわります。強いか弱いか、上か下かで人間関係を作っていきます。



こんな男たちは家族の中では自分が上に立ち、責任を取る立場にあると認識していて、職場の人間関係と同じ関係を家族に求めます。家族は部下であり、自分の指示に従うべきで、そうすることが家族の幸せだとも考えています。私はそれが悪いとは言わないけれど、平等を人権の基本と位置付ける新民法の枠組みとは異なります。

人権意識の高まりや平等を前提とした法律や制度が整えば、その旧来の価値観では家族も上手く回らなくなるのも当然です。けれど、男性はその辺りを学ぶ機会も少なく、家族との葛藤が生じるのも当然といえば当然のこと。

そんな男たちがDVの加害者になって私のところにやってくるけれど、大抵真面目で頑張り屋さん。男は頑張って・・・男は弱音を吐かず・・・男は負けて惨めになることもなく・・・と、男らしく生きています。

こんな男たちに、ワークでは、負けても幸せになれる、無理せず弱音を吐こう・・頑張りはほどほどに・・・・などの今までとはまったく逆のメッセージを届けます。勝たなくてもいい、負けてこそ、ほんとの幸せが手に入る・・・というもの。

ワークでは、DVで家族が壊れかかってる、離婚請求されてる、調停中、離婚成立・・・再同居に向かってる・・色んな方の語りがあるけれど、どの方も今は困難の渦中。そんな方達に、今は辛い時期だけれど、人生をより良いものにできるいいチャンスと私は伝えます。

勝たなくても、他者に優越しなくても、実は不幸になるわけでもなく、弱い自分を語り、受け入れてもらい、大切にしてもらえるという体験を重ねることで、弱い他者にも優しくなれるし、勝ち負け以上に大切な分かち合う喜びを理解することもできます。それまでの自分の辛さや困難も実は自分で作り出していることにも思い至ります。

今日久々に来談された方も、妻と離婚し半年ほど経ったけれど、今は独り身の気楽さ、自由を楽しめていると話してくださいました。離婚に至るにはいろいろ不安や苦しみもあったけれど、今はそれも乗り越えて、幸せそう。

以前は家族のためと仕事を目一杯やって、ストレス溜めていたけれど、それで家族が壊れたのだから、今は自分のための人生にしようと、仕事はほどほどに、無理せず、買いたいものは買って楽しんで・・・・離れて暮らしてる子供さんともときどき一緒にイベントを楽しんで、離婚を切り出してきた元妻にも優しい思いでいられるようで・・・そんなうれしい報告をいただきました。

離婚が必ずしも不幸の原因になるわけでもなく、仕事や金がが必ずしも自分を豊かにするわけでもない・・・そんなことに気づいて困難を乗り越えて幸せになってくれる当事者の言葉は、私にも勇気と元気を与えてくださいます。ほんとに当事者の方達に感謝です。

ちなみに私の語った私の負け体験は、例の冤罪セクハラ訴訟の理不尽な判決。けれど、この裁判のおかげで、私は世間体とかつまらない専門家の繋がりとかをあっさり手放すこともできたし、自分の活動の純粋さとか、私を支えてくれるたくさんの当事者の方との信頼とか、そしてなにより、どんなことがあっても揺るがない自己信頼を確認することができました。何があっても大丈夫、みんな幸せになれるから・・・今更ながら確信を持って語れます。

世間を欺いて、たとえ勝ったところで、わずかな金は弁護士に取られ、負けたはずの相手は潰れることもなく、世間を偽ったその嘘はやがて自分の人生も歪めてしまう。それが司法の場での勝ち負けの話。つまらない争いはできれば避けた方がいいよと、私は自分の体験をネタに当事者に語ります。

ほんとに人生は面白い・・・つまらない勝ち負けにこだわらないで・・・・・昨夜の男達にもきっと自由で幸せな未来が待ってることでしよう。さてさて、今夜は女と男の非暴力グループワークです。今夜はどんな語りが聞けるかな・・



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