帰国子女・・・ではない
十数年前、主人の転勤で海外に住むというチャンスを得ました。当時娘は1歳。息子はまだ生まれていませんでした。現地に住んで、一年もすれば英語はそこそこしゃべれるようになっているんじゃないか、という甘い期待は幻想に過ぎませんでした。子供が小さかったため、私は子供と二人、毎日アパートで主人の帰りを待つ生活でした。勉強しようと思うのですが、なかなか思うようにはいきませんでした。小学生以上のお子さんがいる方やお子さんのいない方が、大学に行ったり趣味を満喫しているのをとても羨ましく思いました。現地で娘が幼稚園に通ったのは3歳から5歳までの2年間です。でも、ながーーーーーい夏休み(3か月)があったりして、実質は1年半くらいかもしれません。娘は幼稚園では英語で意思の疎通をしていましたが、家では当然ながら日本語でしたので、そんなにペラペラだったという印象はありません。ただ、発音は羨ましかったですね。girl,circle,fork,Davidなんていう発音はほれぼれしたのを覚えています。・・・それから帰国。子供の英語力って、まさに坂道を転がるように下がってしまうものです。半年して英語教室に入れましたが、食い止められませんでした。で、がんばって私が教えよう!と私が英語講師になりました。というわけで、娘は帰国子女というにはあまりに年齢が低すぎて該当しないですね。ちなみに、娘の海外滞在当時の英語力が役立ったと思うことはほとんどありませんでした。ほかの海外経験のないお子さんと一緒にふつうに英語を勉強してきています。発音も人並です。---------------------------------------------------------------------あちらに住んでいたころ、いろいろなお母さんと話をしました。お子さんが現地の学校で勉強が大変であること、土曜日は日本語補習校で一週間分の宿題がでて大変であること、などなど。中学くらいで現地校にいきなり入ると、勉強自体も難しいし、英語も理解できないので、宿題もできず、お金を払って高校生くらいの人に手伝ってもらわないと間に合わないなんて話も聞きました。その子供さんたちは、日本に帰るのを心待ちにしていました。逆に、日本語より英語のほうが得意になってしまって、日本に帰った時に国語や社会などの勉強についていけないことを心配している親御さんもいらっしゃいました。どうやら、英語で答えを考えてから和訳するような頭になっているようです。そういう人のために高校や大学の帰国子女枠は必要なんじゃないかと思います。そんな話を聞くと、羨ましいのか、気の毒なのかわからなくなりました。もっと長く住んでいたらきっと英語は素晴らしいものになったと思います。それは素直に惜しかったと思います。でも、これも運ですよね。昨日、子供たちに、今、パパにアメリカ勤務の話があったら行きたいか尋ねてみました。下の子は、最初は、英語がもっとできるようになったら、なんて言いましたが、行ってから勉強すればいいんだよ、と私が言ったら、行きたいと言いました。上の子は、今だと微妙・・・という返事でした。もう高校生ですから、この時期に海外に行くのは、まさに微妙、といったところでしょうか。話は少しそれますが、英語を勉強する、という強い目標を持たず海外に行っても、あまり英語力はつかない、というのが私の考えです。英語を勉強しなくても、日本人だけでつるんでいればそれなりに楽しい海外生活はできちゃうんです。だから、本当に英語の勉強をせずに日々の生活を楽しんでいられる方もたくさんいらっしゃいました。もともと、勉強目的で自分の意思で海外に行かれたわけではないので、それはそれで全く問題ないと思います。私は、せっかく海外に行ったのだから英語を身につけようと思っていたので、結構歯がゆい思いをしました。勉強したいとは言っても、やはり子育てが最優先でした。一人目の子供が幼稚園に行って時間ができたものの、その後、二人目を妊娠し、結局一人で行動できる時期は限られたものでした。ま、それも運だし、海外で出産なんて本当に素晴らしい体験でしたので、相殺されてしまいました(笑)近ごろ、中山美穂さんがフランス語で話しているところを拝見して、きっと強い意志をもって勉強されたんだろうなと思いました。-------------------------------------------------------------英検一級を取るための英語力は、日本に帰ってきてからの勉強のほうが大きかったと思います。海外に行っていた時より帰国してからのほうが明らかに勉強しています。海外生活が勉強の助けになったことはありますが、海外に行っていただけでは結局大した英語力はつきませんでした(今も大したことありませんが・・・)。取りとめのない話でした・・・。