カテゴリ:特殊な天然石
前回ペリドットに関しての記事を書きましたが。
→ペリドットの偽物や品質や値段についてはこちら← →ペリドットの意味◆効果◆効能についてはこちら← 宇宙からペリドットがやってくることがあるのはご存知でしょうか? 宇宙からやってきた宝石は、唯一ペリドットだけだそうです。 その隕石がこちら。
驚くことに、ネットで購入することが可能なんです。 (当然高いですが…) もちろん、この形で落ちてきたわけではありません。 これは2センチ程度に刻まれたものです。 まず、ペリドットの鉱物名は「橄欖石(かんらんせき)」「olivine(オリビン)」と言い、かんらん石の中でも宝石質となる石がペリドットという宝石名になるようです。 隕石は「石質隕石」「鉄隕石」「石鉄隕石」に分類されます。 そしてさらに石鉄隕石は「パラサイト」と「メソシデライト」に分類されます。 そのパラサイトが、このかんらん石(ペリドット)を含む隕石で、その中に稀に宝石質のペリドットが混じっているそうです。 しかし緑色であるはずのカンラン石ですが、パラサイト隕石に含まれるカンラン石は茶色っぽい石が多いんです。
なぜこんな色なのかと言うと、隕石に含まれるカンラン石は地球のカンラン石と比べて鉄分が多いそうです。 その為、元々は緑色のかんらん石、地球に落下した後に風化が進み、茶色く濁ったりヒビだらけになったりするそうです。 落ちてすぐに回収されたわけではないので、風化の進み具合は、落ちてから発見までの年月、保存状態、隕石の大きさ、落ちる場所などによっても違うようです。 ということは、もし落ちる前に捕まえることが可能なら、恐ろしく綺麗な宝石質の緑色のペリドットがぎっしり詰まっているのでしょうか。 うわー、落ちる前のパラサイト隕石、見てみたいですね! そして、宇宙から落ちて風化せずに美しい宝石質のペリドットとして生き残った石は、実際に宝石にされています。 美しいですね。 そして恐ろしく高いですね(汗) パラサイト隕石から採れたペリドットは「PALLASITIC PERIDOT(パラスティックペリドット、パラサイティックペリドット」と呼ばれます。 しかしこのパラスティックペリドット、地球のペリドットと変わらないのに、宇宙のペリドットです!と証明できるのでしょうか。 「この隕石から採取され加工された宝石です」と明確な証明書が無い限り無理なのでは? と思って調べてみました。 昔は地球のペリドットと宇宙のペリドットを見分けるのは無理だったそうです。 しかし最近は、地球のペリドットと微妙に成分が違うことが発見され、鑑別することが可能になっているそうです。 鑑別書には「天然オリビン ペリドット(パラサイト)」や「天然メテオライト(隕石) ペリドットインメテオライト」など書かれています。 外国の鑑別書では「NATURAL PERIDOT Pallasitic Peridot」という書き方をされていました。 こういった鑑別書があれば、このペリドットは宇宙からやってきた宝石です!と堂々と言えますね。 しかし、風化の進んだような、とても緑とは言えないような、くすんだ黄色の宝石も鑑別書で「パラサイティックペリドット」と証明されているのも見ました。 色が綺麗な緑色じゃなくてもペリドットとされるということなんでしょうね。 球体のパラサイト隕石も発見しました。
パラサイト隕石は鉄とニッケルの合金と、かんらん石からなっているので、削るとこんな風に金属部分も輝くんですね。 しかし金額が凄いです…。 パラサイト隕石は隕石の中でも稀少です。 隕石カタログ(Catalogue of Meteorites 2000年版)には22,507個の本物の隕石が掲載されているそうです。 そのうち 石質隕石 21,514個(95.6%) 鉄隕石 865個(3.8%) 石鉄隕石 116個(0.5%) だそうです。 石鉄隕石が0.5%、そのうちパラサイト隕石が何%かはちょっと分かりませんが、パラサイト隕石は隕石の中の0.5%より少ないと言うことです。 その0.何%のうち、宝石質のパラスティックペリドットがどれぐらいの割合を占めてるのかというのを考えると、超稀少ですね。 そんな稀少な物を、こんなに切り刻んで世界中で販売されているとは…。 なんとも不思議です。 ちなみにこのパラサイト隕石、隕石が発見された土地の名前で呼ばれることもあります。 ブラヒン隕石、アドマイアー隕石、ブレナム隕石、イミラック隕石、エスケル隕石、セイムチャン隕石、フカン隕石、ジェパラ隕石…などがあり、それぞれ品質が良い悪いなど、傾向はあるようです。
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Last updated
2021.06.20 09:54:45
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