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2006年05月17日
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カテゴリ:闘病記録
 ステロイド剤は、女性の敵である。
「○○君のお母さん」と呼ばれるようになって、人様から見るととっくに「オバサン」の域に達しているのだろうが、本人はまだまだ…頑張りたいと思うのだ。お化粧したり、カラーリングしたり、流行の服を着てみたり。おしゃれをするだけで、出かけるのが楽しかったりする。

 ところが、ステロイド剤を服用し始めた途端、わたしの女心を奪う事件が次から次へと現れるのだ。
まずは、この闘病記録でもたびたびお目見えする「ムーンフェース」だ。冗談じゃないというくらいまん丸く膨れあがって、洗面所で顔を洗うたびに、顔の面積が広がっているのだ。前は手のひらに貯まった水を鼻の辺りを中心にして「バシャ」とかければ顔中に水が行き渡っていたのが、コンパスで円を描くように鼻を軸としてそのまわりを「バシャバシャ」しなくてはならないのだ。私の洗面が終わる頃は、洗面台付近やその床はビショビショ。そしてむくんで腫れ上がった顔には表情が乏しい。あまり見たくない鏡に向かって最高の笑みをするのだが、苦笑いにしか見えない。またお約束どおりニキビも、おでこ、こめかみ、顎の下を中心に出来た。皮肉なことに顔が大きくなるとともに、ニキビの場所(跡)も移動するのだ。ニキビだらけの大きな顔に、化粧する意欲は無く、なんといっても不経済だ。ファンデーションなんてすぐに使い切ってしまうだろう。

 そしてつぎに、女心を奪ったものは、何と言っても「多毛症」だ。ステロイド剤を服用することによってホルモンバランスに影響を起こすようで、多毛症になることがあるそうだ。私もステロイド剤を服用して、手足のむだ毛が増えてきたなぁという印象はあった。でもむだ毛処理なら今までだってしてきていたのでどうっていうことはなかったのだが、ある日息子とお風呂に入った時だ。
「お母さん、大変だよ!お母さんの背中…猫みたいさ!!!」
息子はたいそう驚いた様子だった。
私は一瞬なんのことか分からなかったし、顔が丸く大きくなると、今まで普通に見えていた脇の下や、背中が脂肪で邪魔をするのだ。それでも、浴室の鏡を使って、なんとなくだが見てみると、息子がいうように毛深くなっているのだ。でもいくら何でも猫は大げさだと思うものの、すっかりブルーになってしまうのだ。ただ、これはいくらでも隠すことができるし、処理もできるので許そう。

 あとは、上半身がやたらと太るのだ。首まわりや肩、そして二の腕。これも副作用で仕方がないのだが、ハイネックの後ろがファスナーになっている服を着ると、ファスナーが締まらないのだ。そして今まで来ていたカットソーなども肩から腕あたりが「パンパン」状態で、無理して着ている感がある。お気に入りだった洋服がぜんぜん似合わなくなってしまったのだ。不思議とウエストだけはホンノ少しだけ細くなったのだが。ただこれには理由が…。あまりに上半身だけ太っていくことで、食べる事への罪悪感のようなものを持ってしまったからだ。本当の原因は食事の食べ過ぎではないのだが、それでも自然と食の量を気にしていた。

 そして外出をするのが嫌で嫌でならなかった。何を着ても似合わないし、化粧も出来ず、いつも怪しいマスク姿…。ますます脂肪が蓄積するのであった。


 *ステロイドの量が減るとともに、私の場合は投薬開始1年くらいから、少しずつ顔がしぼんできたようです。といってもまだまだ丸いのだと思います。丸顔に見慣れてしまったから、またお化粧して、洋服のコーディネートを考え、外出するのが楽しくなってきました。人間中身が勝負とはいうものの、女という物は外見をどうしても気にしてしまうのです。

 





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最終更新日  2006年05月17日 10時57分34秒
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