カテゴリ:花*花
一昨日、しょうやんと実家で麻雀をした時に、実家の本棚に、昔よく見ていた赤い郵便ポストの形をした貯金箱が飾られていた。 それを、めざとく見つけたしょうやんは、さっそく 「いいなぁ、いいなぁ、あれ誰の貯金箱なの?」と両親に尋ねるると、両親はその貯金箱を見つけてくれたのを嬉しそうに、ニコニコ笑っていた。 「あれは、じゅんちゃんの貯金箱よ。郵便局で通帳を作ったら貰えるから、しょうやんも作っておいで」と母が教えてくれた。(母は自分のことをおばあちゃんと呼ばせない。生まれたてのしょうやんを抱いて、じゅんちゃんですよぉーとしっかり呼び名をたたき込んで、大成功をおさめている。) 「うん、作る作る。」しょうやんはすっかり貯金箱を手にいれられると思っているのだ。 「でも、しょうやん、もう郵便局の通帳もっているさぁ。この前も一緒に貯金しに行ったでしょ」私がしょうやんにそう告げるとガッカリするしょうやん。 そんな父は不憫に思ったのか、 「わしも、もう口座をもっているからなぁ…」としょうやんに同情しはじめる有り様。 そして一同の視線は私に集まるのだ。郵便局に口座あるの?と言わんばかりに…。 白羽の矢があたってしまった私は、当然?昨日は郵便局にお出掛け。新規口座の申し込み書を記入して、番号札をとって順番を待っていたのだ。我が家は親バカ、孫バカ…バカの勢揃いである。 私の番号が呼ばれて、口座開設の申込書を提出すると、いったん待合い席に戻された。その間、例の貯金箱の所在をなにげに見渡すのだが、それらしき粗品は見あたらない。きっと窓口の足下にでも置いてあるのだろう…なんて思っていた。 再び呼び出され、窓口に行くと、今度は暗唱番号を電卓のような機械に入力するように言われた。端末による登録なのだろう。確認為に同じ作業を2回行った。そして再び席に戻されて、しばらく待っていると、真新しい通帳が用意されて、最後の呼び出しがかかった。 そして通帳を受け取ると、窓口担当のお兄さんはニッコリと微笑んで 「ありがとうございました」と通帳を差し出し頭を下げるのだ。 私もにっこり、それを受け取り…。お兄さんは、満面の笑みで私を見送るのである。 貯金箱は? ねぇねぇ、お兄さん、赤いポストの貯金箱は!! このまま帰ったらきっとみんなから罵られるに違いない。勇気を出して、回れ右をして振り返ると すでにお兄さんは別のお客さんの対応に追われていた。そしてわたしの挙動不審の様子をロービー内の警備員さんが見つめている。 結局、粗品をもらわずに家にかえるのだった。 学校から帰って来たしょうやんに、そのことを話すと、とてもガッカリしていた。そしてそのことはすぐに両親の耳に入るのだった。 その日の夕方、赤いポストの貯金箱が我が家にやって来た。もちろん母の貯金箱である。要領が悪いだ何だと散々言われてしまったのだけれど、母がこの貯金箱を貰った時、これはすぐにしょうやんに持っていかれるだろうと思っていたそうだ。昨日は中身の入っていない貯金箱が、今日は「チャリーン」と小銭の音がするのだ。父がお金を入れてくれたらしい。 しょうやんは、別の貯金箱から小銭を取り出し、赤いポストの貯金箱にお金を移し替えて遊んでいた。 実はわたしも実家でこの貯金箱を見たとき、きっと我が家にやって来ると直感していたのだ。 何だか遠回りをしてしまったようだけど…予感は的中してしまった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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