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カテゴリ:昔の話
私の生まれた町は、瀬戸内海に面した河口の町だ。 潮が引くと、どこまでも砂浜が続く遠浅の海 春になると貝掘りに海に行く 高台の神社から海を見ると 潮の満ち引きがわかる。 それを見に行って、知らせるのは いつも子どもの役目だった。 「潮が引きよるで~」 という声を待って海へ出かける。 あさり、はまぐり、にいなと呼んだ小さな巻貝 中でも一番楽しみなのは、まて貝堀だ。 母は、まて貝堀がとても上手だった。 まて貝堀のときは、熊手は持たず、鍬を持って行く そして食塩も 砂浜に小さな穴を見つけたら、そこを鍬で少し掘り下げる すると穴は少し大きくなる そこへ塩をひとつまみ入れると、大潮と勘違いした貝がにょきっと顔を出す そこを間髪入れず捕まえるのだが 失敗すると二度と姿を現してくれない。 一回勝負 こんなおもしろい潮干狩りはないと思う スリルとサスペンス付きなのだから 母は、潮が満ちてくるまでずっと、まて貝を捕まえていた。 肥料袋に一杯獲れるときもある まて貝は確か佃煮風にして食べた記憶がある
あの頃はまだ川も海も小川もきれいだったのに 昭和40年代から急に川が汚れ、海が汚れた 学校にプールが作られ、海で泳がなくなったのはいつ頃だったかな 砂浜にはさまざまなゴミがうちあげられ、貝も姿を消してしまった
鍬を肩にかついで嬉々として海へ向かう母の姿を見るのは とても嬉しいことだった。 あのときの砂の感触 どこまでも続く砂浜 あっという間に満ちてくる満ち潮 海は地球の営みを教えてくれた お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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