モネのモデル
以前、マネのモデルをねたにしました。 ムーランをモデルにした「オランピア」「草上の昼食」などにくらべて、 義妹になるモリゾをモデルにした絵は、絵の具の乗せ方が「印象派」っぽい作品ですが、(すみれのブーケをつけたベルト・モリゾ)「黒」を効果的に使うマネの代表作の一つでしょう。マネに比べて、モネの絵の決定的な違いは、「明るさ」。「光の画家」と言われたモネの絵は、とにかく明るい。(日傘の女性) モネ夫人であった、カミーユが亡くなった後に描かれた作品には、影がない。(全く影がないと立体感がないが、「ない」と言って過言でないほど、描かれてない) 「モネを見れば日傘をどちらに向けてさせばいいかが判ります」と言ったのが、モリゾ。 こういう明るい絵を描けたらいいな、と、(クールベの迫力のある絵と並んで)才能のある人をうらやむ限りです。 東京の「モネ大回顧展」のポスターが「日傘の女性」で、「オルセー美術館展」のポスターが「ベルト・モリゾ」というのも、対照的。