カテゴリ:環境のこと
以前、バイオ燃料の話題をあげたあと、コメントを頂いたり、よそでコメントしたりしたのも含め、おさらいを。
先に結論を言えば、 「我々の吸ってる酸素は、森林が作り出したものではない」ということ。 地球上に存在する「炭素原子」の数は限りがあり、 それが、 「単体」(純粋な結晶がダイヤモンドだが、いわゆる「炭」)で存在するか、 「無機化合物」で存在するか、 「有機化合物」で存在するか、 ・・・というふうに、形を変えているにすぎない。 炭素を含む「無機化合物」というのは、二酸化炭素か、炭酸イオン(さんご礁を由来の石灰岩など)で存在し、 「有機化合物」は、動植物を構成するもの、それを由来とする化石燃料の形として存在する。 石油や石炭、石灰岩などは、地中(水中)に埋もれているうちは、安定して、我々の生活に影響しない。 さて、光合成とは、 「無機物」である空気中の二酸化炭素を、太陽エネルギーの力で「有機物」に変えること。 その過程で、「あまった酸素原子(水分子に含まれていたもの)を捨てた」のが酸素ガス。 (無機物から有機物を作るのは、決して、「無から有を生み出した」のではない。質量保存の法則を勉強しましょう) 安定した森林では、個々の木が成長したぶん、二酸化炭素が固定されるけれど、 森林全体で見れば、木の作り出した栄養分は食物連鎖で森の中で循環し、最後は微生物の働きで分解され、二酸化炭素に帰っていく。つまり、生態系で自給自足してる。 森に暮らしている動物や、森で自給自足している人たちの吸っている酸素は、たしかに森が作ったものといえるが、 都会で暮らす多くの日本人が吸っている酸素まで作ってくれる森林はない。 我々が食べている米や野菜や、家畜のエサである草などが、我々の酸素を作ってくれている計算になる。 (もちろん、酸素は天下の回りもので、大気中ではごちゃまぜになっているが) 食料自給率が4割を切ってるというのは、酸素も海外依存してることになる。 化石燃料に依存する生活というのは、古生代の植物の酸素に依存することになる。
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