2008/07/02(水)20:27
諫早湾 干拓事業 ~「干拓農地」のコスト
先日の、諫早湾干拓事業をめぐって、
締めきり堤防の開門を命じた判決(2008/6/28中日新聞)。
いろんなところで歓迎されてるけれど、「落とし穴」に触れてない反応が目立つので、ちょっとコメント。
(素直に裁判所の言うことを信じられない、曲がった根性だと私が評価されるのは勝手ですが、実際に「どうなるか」は、もっと根性の悪い奴らが計画すること)
◆「諫早湾」判決骨子
▼国は潮受け堤防の南北排水門を5年間常時開放せよ
▼防災機能代替工事のため、判決確定から3年間は開放を猶予する
▼堤防閉め切りと有明海全体の環境変化の因果関係は認められないが、諫早湾内については相当程度立証されている
▼国が中・長期の開門調査に協力しないのは漁業者らへの立証妨害
▼開放で農業生産に支障が生じたとしても、漁業行使権侵害に優越する公共性、公益上の必要があるとは言い難い
つまりは、
判決が「確定」してから3年間は、「代替工事」が必要だから開門しなくていい。
国の開門は「環境調査」のために、5年間協力せよ
という内容。
(「代替工事」を請け負う会社にとっては、新たな儲け話であり、「代替工事」によって新たな環境被害が生まれることについての予想はしていない。)
手放しで「開放」の1語だけで喜べるかどうか判らない。
最後の文章も、いたずらに、農業と漁業を対立させてるように思える。
島根県・中海干拓地では、「淡水化事業」が中止されたが、ちゃんと干拓地は売り出しされている。(農業用水は上流から用水路で引けばいい。下流にあるからこそ、遠浅になってるんだから)
http://www.pref.shimane.jp/section/nouti/kokuei/uridasi.html
(「1反180万円」で買う人がどれだけいるのか…いないから、売れ残って募集が続いてる)
いま、米の「反収」が、450~500kg。
生産者米価60kg1万円の時代では、180万円の田んぼで7~8万円/年。金利4%で消えてしまう。
もちろん、生産コストがかかり、農家の労賃がかかる。金利優遇したって儲けになりようがない。
最初っから「悪徳商法」でしょ。
(悪徳商法なら、売った奴は儲かっているのだけれど、県も農水省も予算を出している)