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詩と映画と日記

詩と映画と日記

おくりびと

監督
滝田洋二郎

音楽
久石譲

出演
本木雅弘
広末涼子
余貴美子
吉行和子
笹野高史
杉本哲太
峰岸徹
山崎努


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私達は
みんな必ず死にますね
そして、生前どんなに心がけて
身辺を整理しても
自分の遺体を
自分で始末することができません

昔は亡くなった方の
遺体を清めて
死に装束を着せ
お化粧をしてあげるるのは
身内の務めだったように思いますが
今は納棺師さんがするのですね
はじめて知りました

病み衰えて亡くなったひと
事故で、むごく逝った方
天寿を全うして大往生のひと
誰にも看取られず
死後数週間も放置された遺体

みんな納棺師さんの
厳粛で、やさしい手にかかると
元気なときの姿を見るように
きれいになります

ベテラン納棺師の山崎努は
口数少なく変人っぽいけれど
多くの悲しみの場に立ちあい
自らも妻に先立たれて
幅のある心を持つ雄々しい男です

チェロ奏者から転身した
新人の納棺師の本木雅弘は
『しこふんじゃった』で
好感を持ちましたが
嫌みのない良い俳優に成長しました

妻の広末涼子は
『ぽっぽや」の愛らしかった少女が
水晶のような美しさを見せて
魅力的なおとなの女優になりました

夫のいろいろな身勝手にも
ニコニコ笑って付いてきた
明るく健気だった妻が
ある時
"ほんとうは悲しかったんだよ"と
告白する場面に、ハッとしました

そうです
ひとは自分の為に耐えてくれている
大切なひとへの
気遣いを忘れやすいものです

上映中
私も何度か涙がこぼれましたが
近くの座席からも
堪えきれない嗚咽が聞こえていました

誰もに訪れる別れの日は
自分では取り繕うことの出来ない
不本意な姿を
人前に曝すときでもあります

亡き人の誇りのために
残されるひとの想い出の為に
最後の面影を美しく装うのが
納棺師の技と心です

シーンに合わせての
チェロの音色も心に響きます

普遍的な題材でもって
非凡な作品が出来上がっています

身近な事柄ですが
あっと驚く発見もあり
とっても感動しました

滝田洋二郎監督というと
『壬生義士伝』の
素晴らしかったことも思い出しますけど

今回の『おくりびと』もお勧めの作品です




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