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尊敬する方に勧めていただきましたので 「勇魚」(イサナ)という本を読みました 著者 C・W・ニコル 訳者 村上博基 長い鎖国の眠りにあった日本に 黒船が来航して大騒ぎの頃のお話です その頃まだ盛んであった捕鯨漁の話と 激動の時代を見事に平行させ 交差させて書かれています 300人をこす男たちの鯨捕の叫び声や 勢子の槌音、櫓の軋みが聞こえてくるような 描写と表現のすばらしさに引き込まれ ドキドキしました 鯨を見張って合図を送る者から 美しい舟を漕ぎ出し 命がけで巨獣と戦う鯨漁師たちの 一糸乱れぬ連携の勇壮な闘いを この目で見るような臨場感がありました ただ獲物を捕るだけではなく 命に対しての敬虔な気持も感じました 外国を忌み嫌い排除しようとする 尊皇攘夷の大勢の中で 井伊直弼が国の将来を見据えて 内戦と他国に拠る蹂躙から国を守ろうと 条約を締結し開国へ向わせようとしました 反対は激烈で覚悟の上とは言え むごたらしい暗殺という結果になりました けれども、変革を恐れ、 平穏無事を願うばかりでは 長い年月に何事も淀んでしまいます 考え方の違うものも 異端と思えるものをも受け止めてみる 勇気が世の中を発達させ 活性化させるように思います 誰かが何とかするだろう そんな傍観者ではなく 信じた事を身を捨てる覚悟を以って 実行した本当の意味での強い男たちの 勇気がほとばしって見えます とても感動しました お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2004.04.26 19:33:27
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