2009/02/11(水)23:36
一場投手よ、投球フォームで悩んでどうする
楽天キャンプ 一場フォーム矯正に全力 下半身主導に手応え
http://www.kahoku.co.jp/spe/spe165/20090210_02.htm
一場が投球フォームの矯正に取り組んでいる。昨季は0勝に終わったが潜在能力はチーム屈指。野村監督が毎年期待し続ける未完の大器は、1皮むけようと懸命だ。
9日、ブルペンで一場の一風変わったフォームが見られた。「フー」と大きく息を吐き出しながら左脚を上げ、両腕は下にだらり。その姿勢から投げ込むと、捕手のミットはバシッと豪快な音。「今のタイミングだ」「ボールがうなっていたぞ」。101球の投球を見守った佐藤投手コーチが相好を崩すほどの力強さが戻りつつある。
矯正のきっかけは第2クール初日の6日。ブルペンに入ったものの、ワンバウンドしたり高めに行きすぎたりと、球はバラバラ。見かねた佐藤コーチが動いた。上半身に力が入り過ぎずに下半身主導で、と今の投げ方にさせた。「これが一番力の入らないフォーム。続けさせて感覚を覚えさせる」と佐藤コーチ。
勘所はつかみつつある。「ここ2年間で一番良い球が投げられた」と、9日の投球を振り返った背番号11。そのひと言がすべてを物語る。
今は矯正の第一段階。これから、グラブの位置など試合で投げられるフォームに仕上げていく予定だ。道のりは長そうだが「何とかしようとしてくれるのはありがたいし、感謝している。野村監督や佐藤コーチの期待に応えたい」。その真剣なまなざしに偽りは感じられない。
リンク先の一場投手の投球フォームを見てもらうと一目瞭然かもしれないが、この投球フォーム、05年までの岩隈投手の投球フォームにそっくりである。これでグラブの位置をもう少し上で止めて構えたらそのまま岩隈二世を名乗れるくらいだ。もちろんこのフォームでは今では完全なボーク扱いになるのだろうが。
そういえば、(つまり岩隈投手が近鉄の若きエースとして台頭してきた2001年のシーズンよりもあとということになるが)岩隈投手のこの独特な投球フォームを「理にかなった理想的な投げ方」と言っていた解説者が何人かいた。
つまり、一連の投球動作の中に一本足で立てる「間」というものを持つためには、体重移動がスムースでなければならないということにもなるので、コントロールが乱れにくく、球速も落ちない(しかもバッターがタイミングを取りづらいいということか)ということらしい。
しかし、「言うは易し、されど・・・」のたとえではないが、この「間」というものを身につけるためにはそうとうの鍛錬というものが必要になるらしいが。(しかも今のルールに抵触しないようなモデファイが必要になる)
それよりも自分が一場投手に対して思うことは、もう投球フォームがどうとかというような問題ではなかろうということだ。
いままで、一場投手 いろいろとフォーム改造をしてきたが、やはり一番しっくりしているのは入団当時の投げ方だと思う。それをノーワインドにまとめたりするまでは、ある程度は応用の範囲内という気もするが。
一場投手には、投球フォームがどうとかではなくて、もっと根本的な「投手として必要な打者に向ってゆく闘争心」というものを取り戻して欲しいと願っている。岩隈投手から見習うのはむしろそっちの方ではないのか。
それさえあれば一場投手のシーズン15勝(あるいは40セーブ)も、決して無理な数字ではないのではないだろうか。