「人生の一日」  かまたあきよし

2010/11/05(金)10:36

ルールとはいえ・・・ その3

プロ野球(55)

この「最高勝率を優勝チーム(一位)とする」という規定だが、よく考えると、理不尽であるし、わかり難いし、はっきりいって(計算したりするのが)めんどくさい。 理不尽というのを説明するとこうなる。たとえていうならばだ、陸上競技などで同じ距離を走らせて誰が最初にゴールするかではなく、少しずつ違った距離を走らせて、それぞれの平均速度を出して一番だったものを勝ちとするようなものからだ。 同じように、引き分けの数を引いた(チームごとに違う)数字を勝率を出すための分母にするというのはおかしいだろう。 やはり野球もサッカーもあらゆる球技のリーグ戦の勝者(一位)を決めるのであれば、それはだれにでもわかりやすい形の「一番多く勝った者」であってほしい。そういうことです。 そのために一番いいのは、やはり引き分けをなくして再試合制にすることだろうが、現状それを導入するのが難しいというのであれば、どうだろうか、引き分けは両チームともに0.5勝(0.5敗)と計上するのである。 サッカーのリーグ戦でつかわれている「引き分けは勝ち点1」みたいなものになるのか。 たとえば、前の前の記事で出した9月10日(試合終了時)現在のパ・リーグの順位であるが           試 勝 敗 分 勝率 差 残 -------------------------------------------  1 日本ハム   118 69 48 1 .590 --- 26 M22 2 ソフトバンク 122 67 51 4 .568 2.5 22 3 楽天     117 60 56 1 .517 6.0 27 4 西武     120 57 59 4 .491 3.0 24 5 ロッテ    122 50 68 4 .424 8.0 22 6 オリックス  121 48 72 1 .400 3.0 23 これを引き分けをなくして、0.5勝(0.5敗)と計上するとこのような順位表になる。 勝利数が多い順ではなくて、勝敗差(いわゆる貯金・借金)の順位になる。           試  勝   敗 ±  差 残 -------------------------------------------  1 日本ハム   118 69.5 48.5 +21 --- 26 M22 2 ソフトバンク 122 69.0 53.0 +14 2.5 22 3 楽天     117 60.5 56.5 +*4 6.0 27 4 西武     120 59.0 61.0 -*2 3.0 24 5 ロッテ    122 52.0 70.0 -18 8.0 22 6 オリックス  121 48.5 72.5 -24 3.0 23 引き分けの多いソフトバンク・西武・ロッテの勝ち数(負け数)が増えるが、ゲーム差という概念ではまったく変わらないわけだし、ソフトバンクが実は首位の日本ハムに肉薄していることも、(負け数が多いことも)よくわかる。 そして、今日(11日)ソフトバンクが勝ちで日本ハムが負けると、勝数ではソフトバンクが上に来るが、ゲーム差という概念ではまだ日本ハムが上ということも、(勝ち数では)ソフトバンクが上である、つまり日本ハムにマジックナンバーが点灯しないというのも、簡単な計算ですぐに出せる。 具体的にはこうなる。 現在のところソフトバンクの最大可能勝利数は(69.0+22)だから91.0である。 日本ハムがこの勝ち数を上回るのに必要な勝ち数は(91.0-69.5)の21.5よりも多い22.0であると足し算と引き算だけですぐに出せてしまうのだ。 (※ 現状のマジックナンバーの22と同じになるが、いつもこうなるというわけではない) そして、もし今日(11日)日本ハム負け、ソフトバンク勝ちだと 1 日本ハム   119 69.5 49.5 --- 25 M22 2 ソフトバンク 123 70.0 53.0 1.5 21 --- となるわけだが、勝ち数ではソフトバンクの方が上ではあるが、勝敗差では依然日本ハムのほうがまだ上となる。 この状態でもソフトバンクの最大可能勝利数は91.0で変わらない。 日本ハムがそれを超えるための勝ち星91.5を挙げるためには(91.5-69.5の)22.0が必要になるところまでも一緒だ。しかし、今度は日本ハムはもう3敗しか出来なくなり、ソフトバンクとの直接対決を4試合残している日本ハムのマジック・ナンバーも消滅する・・・、という具合に引き分け数で変わってゆく勝率の計算の必要がなくなるのである。 と、まあこのように、当事者の選手に達にとっても、ファンにとってもわかりやすい制度(と計算方法)になるはずなのだが。 考えてほしい。クライマックスシリーズという「たとえ三位でもリーグ優勝の可能性のあるシステム」だってヘンといえばものすごくヘンな制度なのだ。 それをあえて導入したのはなんのためだったのか。 ファンサービスのためだろう。だったら「引き分け」というものをなくして勝率ではなくて勝ち数というわかりやすいかたちと方法で優勝者を決めるのも立派なファンサービスになるのではないか。 もちろん、「ファンのため」というのであれば、試合の中で決着をつけるのが一番だと思うし、もし延長などで長くなる試合時間を避けたいというのであれば、たとえばサッカーのPK方式のように(WBCで採用されたタイブレーク方式があったが)新しい試合決着の方法を導入するのが望ましいのではないだろう。少なくともその場で見ているファンはそのほうがありがたいはずである。 それが導入されるまでの繋ぎの策としてでもいいからこのようなわかりやすいルールというか優勝者決定の方法を導入してもらえればと思っている自分である。 そういう意味を込めて久々に長い記事を書いてみた。疲れたが。

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