2010/12/11(土)13:53
SPEC 08 辛の回 その二
この回ではいままで広げて来た風呂敷を少しずつたたみ始めるかのようなところが目に付くなどかなり毛色の違う回であった。
映画「20世紀少年」にたとえれば第三部突入といったところだろうか。
前にもちょっと書いた「弾丸の向きを変えたのは瀬文(加瀬亮)のスペック(特殊能力)ではない」のネタ明かしもこの回でされていた。
時間を止めたニノマエ(神木隆之介)が弾丸の向きを180度変えていたのだという。
でもさあ、指先でくるりと弾丸の向きを変えただけでっていうのは逆に凄すぎはしないか。
というかここは笑うところなんだろうなぁ、やっぱり[註]
また、八回目にしてやっと当麻(戸田恵梨香)の家が登場。意外にも書道教室になっていた。ここはちょっと鼻白むところ。
せめて「元・書道教室」だとかを強調してほしかったところ。
でないと当麻が使っている書道道具のチープさと噛みあわなくなるからなのだけれど。
まあこれはどうでもいいことか。
また、野々村光太郎(竜雷太)の口から「昔、一緒に仕事をした東大出の女刑事がいてね… 今じゃ向こうはだいぶ偉い立場になっちゃったけれど」というカタチで、ケイゾク(柴田純)とこっち(SPEC)との繋がりが強調されていた回でもあった。
いずれは柴田純(中谷美紀)もなんだかのカタチで出てくるんだろうなというような予測はしていたのだが、あまりにもそっけない登場に肩透かしを喰らった気分だった。まあおそらくはまたなんだかのカタチで、あるいはもっと明確なかたちとしての柴田純の登場はあるのだろうと期待はしている。
そのつながりでいうと、個人的にうれしかったのは、当麻(戸田恵梨香)と瀬文が電話をするシーンか。ケイゾクにも似たようなシーンがあったが、作っているほうにもその意識はあったのかもしれない。というかあっただろうね、やっぱり。
お互いが携帯のアドレスに「餃子女」と「筋肉バカ」と登録してあるのがなんともだが。
一度切れた電話が繋がったときに、まるでclassのふたりが携帯で「夏の日の1993」をハモるより見事に、同時に「切るなよ・・・つか、切ってねーし」と声を揃える。[註]
まあここが一番自分が笑ったところだった。
しかしそれにしても…
瀬文が警察を裏切る行為まで犯して助けた部下志村の命が(ニノマエの属する組織に)あっさりと踏みにじられてそこでおわりというサディスティックというか、とても後味の悪い終わり方であった。こういうところも何かしらドラマとしてのケイゾク臭を漂わせている。
あと二回か。「うまく終わればいいのだけれど」というような余計なおせっかいは無用か。
[註]オカルトドラマに科学的な裏づけを求めることがそもそもナンセンス。まあ「力学的な運動エネルギーのベクトルが…」とかしたり顔して書くことがよっぽどアホでしょう。
でも、叩き落した弾丸がまるでネズミ花火みたいにして床の上を跳ね回ったりしたらそれゃそれで笑えるシーンにはなったと思うんだが、いかがでしょう。
[註]トリビアの泉でもやっていたがふたりが携帯を使って同じ歌を歌っても決してユニゾンにはならない。(複数の基地局を経由して音声が行き来するので)必ずどちらかが遅れたりするし、ともにお互いの声が被って聞こえるという現象も起きない。だから自分はこのシーンで笑ったんだけれど伝わらなかったか。えーあとそういえばトリビアの泉では「鈴虫の声は電話を通すと聞こえない」とかもやっていたなぁ。
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