2017/11/25(土)19:21
食物アレルギーに対する食物経口負荷試験や経口免疫療法
日経メディカルに「日本小児アレルギー学会が「重篤な食物アレルギー症状」の緊急調査 負荷試験や経口免疫療法に伴う重篤な事例は9例抗原別では牛乳アレルギーが最多」いう署名入りの記事が2017年11月21日付けで発表されています。
非常に重要な発表と思いますが、必要なデータやデータの質に疑問が生じます。
まず、回収率が5.6%の調査(286施設中16施設)で何が分かるのでしょうか。
仮に事故があったかどうかを調査したのならば、回答しなかった施設ではそのような事故は起こっていなかったのかどうか。
一施設あたりどれぐらいの症例数でそのような事故が起こったのか。
「日本賞にアレルギー学会」が一般診療として推奨していないということであれば、試験的治療として施設の倫理委員会で承認を受ける必要があるのではないか。
「100超える施設で経口免疫療法が実施されている」のに286施設も調査を行った理由が分からない。(多分食物経口負荷試験をやっている施設を会わせると286施設になるのでしょうが。
より安全に試験を実施するためには、小児アレルギー学会において、標準治療計画書を定めて、すべての症例を登録制にして、個々の患者さんのデータをエビデンスレベルに持っていく必要があるのではないでしょうか。
ガイドラインに準拠したレベルの治療はエビデンスが認められた治療に限るべきです。アメリカの低酸素症の事故も倫理委員会を通した上で、200例を登録して、そのうちの1例が発症ということで、すべて、再同意を行ったという、いわゆる倫理規定をクリアしています。
薬価に関係なくて、食物を与えるだけだからと安易に日本の小児科医は考えているのではないでしょうか。きっちりと安全性と効果を見る試験を学会あるいは国主導で行うべきと考えます。
詳細な2時調査を行ったところで問題点がすべて明らかになるとはとても思えません。
日本小児科学会からは注意喚起の文章が11月14日にでています。
とても手ぬるいと思います。アメリカの事故は維持療法中に行ったものです。除外基準に重症喘息としていますが、喘息にすべきと思います。