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テーマ:気になったニュース(30380)
カテゴリ:プレスリリース
子どもの近視は年々増えており、東アジアでは大きな広がりを見せています。
3ヶ月検診における目の検診は大切です。このときに両目がきちんと働いておくことを確認しておかないと、気づくのが幼稚園になった場合に気づいた場合には立体視の脳内神経は完成しているので、目を治療しても立体視はできません。これは体験談です。私は幼稚園の時に左眼が見えていないことが判明し、手術で見えるようになりましたが、立体視に関しては色々訓練しましたが、63歳の今になってもできません。 色々文献を読んだ結果、遅くとも6歳までに立体できるような(視差を確認して立体を認識する)神経系は完成してしまい、それまでに視差を感じることができなければ立体視はできないようです。 話がそれました 近視の話です。 近視は眼鏡で調整することによって、視力を得ることができる場合があります。これは病気を治したわけではありませんので、健康保険の償還はありません。 メガネやコンタクトレンズ以外には手術によって視軸を調節(近視では長くなっている)することで、視力が回復するのも健康保険の償還はありません。病的な近視(メガネやコンタクトレンズをつけても視力が開発しない)場合には効果は望めないことからそうなっているのか、だれも申請しないからか分かりませんが現状ではそうなっています。 もう一つがオルソケラトロジー(それようのメガネとアトロピン点眼)を睡眠時に行うことで日中の視力を取り戻すものです。子どもが日中にサッカーや野球などの激しい運動をする際にメガネやコンタクトレンズでは外れる危険性があるので、一部で使われています。残念ながらオルソケラトロジーの効果は1日しか持たず、近視の回復能力があるわけではありません。 昨年、FDAが小児近視進行抑制用コンタクトレンズを承認しました。このコンタクトレンズは二重盲検比較試験で視力回復が認められ、そのデータを元としてFDAは承認しました。2020年3月から発売されています。かなりデータを集めたようで、対照群をコンタクトレンズ群に組み込み4年目、5年目の効果も確認しています。エントリーされたのは年長さんから10代後半までで、早期から治療可能で、治療を始めるのが遅くとも効果がある事が確認されています。 米国、カナダ、英国、フランス、スペイン、ポルトガル、オランダ、ベルギー、ドイツ、オーストリア、スイス、北欧地域、チリ、イスラエル、シンガポール、マレーシア、香港、オーストラリア、ニュージーランドで承認されていますが、日本では未承認です。(申請しているかどうかは不明) このコンタクトレンズの作用機序は網膜に光刺激を与えて近視の進行の抑制すると言うことです。多焦点コンタクトレンズの仕組みを応用し、自然光をぼかして網膜周辺部に刺激を与えることで、単焦点コンタクトレンズと比較して、近視の進行を抑制することを証明しました。 このコンタクトレンズの申請状況は分かりませんが、FDAが承認して、EUも承認していることから、日本人で人種差のないことが証明されればFDAに申請したデータでICHの規制上申請、承認可能なはずです。 日本ではコンタクトレンズではなく、ウエアラブル端末(メガネに装備)で自然光をぼかして網膜周辺部に刺激を与えることで近視の進行抑制や治療を目指しているメーカーがあります。窪田製薬です。窪田製薬は目に特化したニッチな新医薬品の開発メーカーです。実際にウエアラブル端末の研究は窪田製薬のアメリカ子会社クボタビジョンが行っており、POC(概念実証)を1眼に刺激を与え、他眼を対象として、評価項目を眼軸長の変化で行い、成功しています。 日本でコンタクトレンズでもウエアラブル端末であろうともう少し時間がかかる可能性があります。コンタクトレンズは0~20歳で寒性性角膜炎の第一の原因で90%以上を占めていることからコンタクトレンズを視力回復に用いるにはリスクが大きいという反応が目に見えるようです。ウエアラブル端末は実際に臨床試験がいつ終わるか分かりません。 本当に効果が実証されて近眼が減ると子ども用のメガネ業界は大きな減収になるので、今から準備を始めるほうがいいようです。 参考 メガネのいらない世界をつくる「クボタメガネ」プロトタイプの開発進捗状況と今後の開発計画に関するお知らせ|窪田製薬ホールディングス株式会社のプレスリリース 画期的な小児近視進行抑制用コンタクトレンズMiSight® 1 day 2020年に米国で発売 | コンタクトレンズ | クーパービジョン 中村 葉, オルソケラトロジーの近視進行抑制効果について, 視覚の科学, 2018, 39 巻, 4 号, p. 85-89 「なぜ起こる? コンタクトレンズによるトラブル」日本コンタクトレンズ学会 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2020年12月18日 14時29分02秒
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