2014/05/06(火)21:57
男性美容のハテナ
ブルーのジャケットで同人誌即売会へ行った、秋葉原愛好家です。
清潔=清潔感ではない、ということがわかったのは収穫でした。
が、疑問点も多い本でしたよ。
お洒落以前の身だしなみの常識 著者:加藤智一 講談社
一番ハテナとなったのは、何度か出てくる「高い物ほど効果が高い」という記述。
技術者の端くれとして言わせてもらえば、製品の性能と値段は必ずしも比例しないものです。
作成に手間がかかる、研究開発に資金を投入した分を償却しなきゃいけない、利益率を挙げたい、為替変動の影響を抑えたい、CMに出ている有名人のギャラが高い、原材料が高価、などなど質とは関係ないことが価格を上げることはじゅうぶん考えられます。
腕時計で何百万もする機械式時計より数千円のクオーツの方が精度が高いことなんて、当たり前にあるように。
残念ながら、この本ではそのような点を考えてもいないのか無視しているのか、記述は見当たらず。
効果を確かめる実験や論文が引用されていないのはいいとして、せめて各メーカーの開発者へ高い製品ほど効果が高いか確認したインタビューくらい載せてほしかった。
あるいは科学や医学や物理での根拠の説明とか。
また、オーガニック化粧品を安易に薦めるのは、正直言って賛同できません。
化学はダメで有機は安全というほど単純なものではないのです。
フグ毒、トリカブト、蜂の毒など天然自然で害のあるものもあるのですから。
これらのことがページの都合で省かれたならまだ救いがありますが、その必要性を全く著者が認識していなかったなら怖いことです。
美容関係とはいえジャーナリストと肩書きにつける人が、自分の発表する情報の裏付けに無頓着というのは。
まあ、いくらなんでも、それは無いと信じたいですが。