第2話【SPY　de　レモン参上！】　後編

レモン　ママからのミッション電話を終え、家路を進む。 【貴李の住む　商店街】 今日も活気にあふれ また　どこかで人が来る 貴李　　　『ただいまぁ』 繁盛してる店内 八美　レモン 　　　　　『おかえり　！！！　 　　　　　　　　 　　　　　　　貴李悪いんだけど、すぐお店手伝って！』 貴李　　　『は、はーい、今したくします。すぐ行きマース。 　　　　　　　（八美おばさん、レモ使いが荒いなぁ 　　　　　　　　　　でも、私を育ててくれた　たった一人の身寄りだもん。）』 貴李は、荷物を置くと ママから電送された　『大長』の携帯画像を　パソコンに接続し プリントアウトする。 貴李　　　『シブシブ・・・。 　　　　　　　みんなみたいに、買い物やデートとかしたいなぁ』 八美　　　『贅沢言うんじゃないの！ 　　　　　　　こんなに大勢のお客様が　あなたの恋人と思えば幸せよ 　　　　　　　ほら、ホール頼むわね！』 貴李　　　『はい、はい。あら　クケ子さん。いらっしゃいませ。 　 　　　　　　　…どうしたんですか？　元気ないみたい』 クケ子　　『……　みか彦って友達がね。 　　　　　　　いや、貴李ちゃんに言ってもわからないよね。 　　　　　　　みか彦は、蜜柑としての　命をまっとうしたんだよ。そうだよ。』 貴李　　　（クケ子さん、あなたの涙、決して無駄にはしませんよ…） お客さん　『貴李ちゃーん、お冷　オカワリ～』 貴李　　　『は～い、ただいま～』 化粧映えのする　女性客に呼ばれ　お水を運ぶ 貴李　　　『おまちどうさま、ライムさん。 　　　　　　　…今日は　なんかグロッキー気味ですね 　　　　　　　タバコも控えたほうが良いんじゃないんですか？』 ライム 『連日　パーティーパーティーで　商売繁盛だけど 　　　コンパニオンも楽じゃないわよ、お水ありがと』 貴李　　　『灰皿、交換しますね。あ、ハン太さん　いらっしゃませ』 ハン太　レモン　 『おぅ、貴李ちゃん』 貴李は、新しい灰皿を配膳すると同時に ライムとハン太に　サッと『大長の印刷画像』を手渡した。 ライム・ハン太　　『今回は、コイツ？』 貴李は、小さくうなづく。 貴李　　　『明日、グランドシトラスホテルで開催される 　　　　　　　日米柑橘ラウンドに　大長が参加します。 　　　　　　　米側は、ネーブル氏が来日。』 ハン太　　『そこで、ヤツラの悪だくみをキャッチして 　　　　　　　大長を落としいれる、という作戦だな』 ライム　　『グランドシトラス・・・ 　　　　　　　なんとか、潜り込んでみるわ』 貴李　　　『さすが、ライムさん。 　　　　　　　コンパニオン業界の、アゲハですね！』 ライム　　『ちょっと、貴李ちゃん！ 　　　　　　　ライムは仕事のときの名前、 　　　　　　　アタイの名前は、【夢子】って言ってるでしょ』 貴李　　　『そうでした、来人（くると）　夢子さん！』 ハン太　　『・・・あと、夢子。これを持って行きな』 ライム　　『これは、…携帯電話？』 ハン太　　『一見、従来型の携帯なんだが、 　　　　　　　動画を64ギガまで収録できる。 　　　　　　　iPhoneの4倍だぜ。 　　　　　　　大長の顔フォーカス機能もつけておいたから 　　　　　　　手に持ってるだけで奴の話が全て 　　　　　　　最適音質・高画質でバッチリ収録できる代物だ。 　　　　　　あと、１つ予備機能を付けておいたけど…』 ライム　　『付けておいたけど？』 ハン太　　『いや、言う必要は無いだろう。 　　　　　　　夢子　いや　ライム、気をつけて行って来いよ』 ライム　　『わかってる。』 八美　　　『ちょっと～、貴李～ 　　　　　　　いつまでアブラ売ってんのよ～！！！ 　　　　　　　ナポリタン出来てるんだから～』 貴李　　　『は、は～い。ただいま～ 　　　　　　　…ライムさん、お願いしますね』 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　【続く】