名古屋また名古屋。そして恐怖の夜が訪れる..-最終章-
前回のつづきです。************************************************布団の隙間から、目だけを動かして辺りを伺う。..何も異常は見当たらないようだ。と、その時。視界の左隅、ベッド脇を何かがフワッと横切ったような気がした。白い、何か。 ..人、だった気がする。確かめるのが怖くて、再び布団をギュっと被る。息を殺して体を縮こめて、只ひたすら、何者かが去るのを待つ。どれくらいの時間が過ぎたのか、気づくと少し眠っていた。辺りを伺ってみたが、もう、あの物音もしていない。どうやら、何者かも諦めて去ったようだった。ホッとして、布団から出、改めてきちんとした体勢で寝なおす事にする。疲れと緊張が重なって、すぐにウトウトとし始める。と、その時。厭らしい粘り気のある眠気の波が来る。普段では体験したことのない眠気。そして、その猛烈な、絡みつくような睡魔の波にあわせて、ザンッ..ザンッ..と、外部から聞こえるわけではなく、直接頭に響き渡る、なんとも不思議な和音がした。ビックリして飛び起きようとするが、体はピクリとも動かない。何の根拠もないのだけれど、何故か本能的に、この睡魔に負けて眠ったら怖い事が起きるという気がして、必死で歯を食いしばりながら、金縛りと眠気を払おうと、体に力をこめ続けていた。しかし、どんなに力を込めて起き上がろうとしても全く動かない。そして、少しでも気を抜けば、途端に眼球が裏返りそうなほど、意識が遠くなる。汗をびっしょりとかきながら、必死で耐え続ける。どのくらい時間がたったのか、相変わらず金縛りは解けず、しかし絡みつくような眠気は去っていた。仰向けの体勢で、天井を睨みながら、どうにか起き上がろうともがいてみる。すると、ふいにベッドの横に、白いストンとしたワンピースのようなものを着た女が、こちらを向いて立っている。体は相変わらず動かないので、胸下から膝位までしか見ることは出来ないが、体のラインから、女性であることが伺える。しかし、明らかに、隣のベッドで寝ている連れでないことだけは確かだった。..コイツだ!さっきから物音を立てたり、しきりに部屋をうろついていたのは、コイツだったんだ!!まだ部屋に居たんだ!!新たな冷や汗が額を伝う中、唯一動く目だけで立っている人物をジッと窺う。すると、女は、スローモーションのように緩慢な動作で、私のベッドに入ってくる。私のふくらはぎ側面をこするように女の足が、すぅーっと入って来た。互いに服を着ている筈なのに、ひんやりと冷たく、まるで陶器のようにすべすべとした女の素肌を自分の素肌が感じる。イヤ..イヤだっ!!来るなっっ!!女はそのまま私の隣にぴったりと入り込み、そのまま上体を起こして、私の両肩を腕でガシリと掴む。肩を掴んだ腕に体重をかけながら、こちらの顔を覗き込むように、どんどん顔が近づいてくる。無表情な顔の女の髪が、パサッと私の頬に掛かる。そして、くっつきそうな程に接近し、私の顔を覗き込み「...チガウ... ×◎Ю△(聞き取れなかった)ナラヨカッタノニ..」低く、そう呟くと、そのままスッと立ち上がり、ふわっと消えて行ったのだった。時計を見ると、午前4時。まだ、寝てから1時間も経って居なかった。******************************************しかし「チガウ..」って人違いかよ..。シチュエーション的には男(彼氏?)を探している感じですよね。人のベッドに侵入してきて、挙句にチューされそうな位、顔を接近させといて「チガウ」って!おどれは男女の区別もつかんのかいぃーっ!怖かったんだからぁぁ~もぉーっ!(T0T)!まぁちなみに、その後もまた出てきそうで怖くて眠れなかったので、フロントに電話をして、「塩、持って来て下さい」ってお願いしたら、丁重にお部屋まで粗塩を持って来てくれたので、一応自分に振りかけて、ベッドにも、ちょびっと撒いて、部屋の四隅に盛り塩してから眠りました。翌朝、チェックアウト間際に再びフロントマンが部屋にやってきて、「昨夜は失礼致しました」と、ワタクシは何もクレームを言っていないにもかかわらず「ツイン宿泊無料券」を3枚と、ホテル内のレストランのランチバイキング無料券を人数分、置いて行きました。いやいや、もう泊りませんって^^;ランチバイキングだけ、利用させてもらいます。