友が亡くなった
石川さん
親友で人生の先輩で上司だった。
病気になってしまい、長い闘病をしていたのにあまり会いに行かなかった。
ひどい病気ALS
会話ができない。身体が動けなくなる病気。
呼吸器を使って延命措置をしてたがしゃべる事はおろか寝返りさえできない。
会いに行かなかった。行けなかった。辛くて、元気な姿を覚えてるものからすればあまりに痛ましく、なんて声を掛けていいかわからなかった。結局逃げたんだ。俺は弱い男だ。
ひどいことをした。寂しかったろう。もっと話をしたかっただろう。
もっと会いにいけばよかった。
もっと話したかったよ。本当だ。
俺の娘も見せてない。
なんて悔やんでも、もういないんだよな。
良くバカな話をした。話してると時間を忘れた。またあんな話がしたい。でもそのあいては他の誰もできない。石川さん、あんただけだ。
ああ、あの頃に戻りたい。まだ元気だったあの頃に。
車が好きだったよな。セリカ、スープラ、パジェロ。もっといろんな車に乗りたかっただろう。
俺が今後乗る車、全部操作感覚覚えてあの世に持っていくよ。楽しみにしててくれよ。好きそうな車を選ぶよ。
しかし早いよ。
まだ生きていてほしかった。
あいたいよ。ああ、悲しい。