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カテゴリ:文章作法
新聞社の記事の校正も週に二、三回ほどパートで手伝っ
ておりますが、これが結構、面白い。現在、記事の校正 は、各新聞社が独自のルールを設け、それぞれ違う方法 でしておりますが、私のほうは、共同通信社系の「記者 ハンドバッグ」が基本。このハンドブックは「時代の流 れに即して、使いやすさを重点に」しているとのことで すが、私に言わせると、欠点も少なくありません。一番 の欠点は、難しい漢字は、ほとんどすべて「ひらがな」 に転換しなければならないこと。たとえば、百花繚乱は 「百花りょう乱」、天真爛漫は「天真らんまん」、今宵 は「こよい」、蠢動は「うごめく」、耽溺は「おぼれる」 などに換えなければなりません。ですから、ひどいとき には、五行の中に漢字がほとんどなく、そこの個所だけ が「真っ白」になって、読みにくいことがあります。そ んなときには、専門的に言えば、「黒くつぶす」という こで、あえて使えない漢字を散りばめ、ルビを付けて使 うこともあります。ただし、これはニュースに限ったこ とで、署名記事は、できるだけ「本文のまま」載せます。 「出来る」、「為」、「子供達」などは「できる」「た め」「…たち」に直すことはありますが、これは、その 署名記事が主観的なものなものか、公共性のあるものか、 文学性のあるものかによって、それぞれ各社の見解が違 うはずです。でも、「天真爛漫」、「蠢動」などは、で きれば、そのまま漢字で使ってほしい気もします。やさ しければ、すべてよし…では、日本語の独特のニュアン スは失われていくばかりです。あすも、このことについ て、書きたいと思っておりますので、意見のある方は、 ご遠慮なく書き込んでください。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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