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土井中照の日々これ好物(子規・漱石と食べものとモノ)

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2021.12.02
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カテゴリ:夏目漱石
 二、三日まえ三四郎は美学の教師からグルーズの絵を見せてもらった。その時美学の教師が、この人のかいた女の肖像はことごとくヴォラプチュアスな表情に富んでいると説明した。ヴォラプチュアス! 池の女のこの時の目つきを形容するにはこれよりほかに言葉がない。何か訴えている。艶なるあるものを訴えている。そうしてまさしく官能に訴えている。けれども官能の骨をとおして髄に徹する訴え方である。甘いものに堪えうる程度をこえて、激しい刺激と変ずる訴え方である。甘いといわんよりは苦痛である。卑しくこびるのとはむろん違う。見られるもののほうがぜひこびたくなるほどに残酷な目つきである。しかもこの女にグルーズの絵と似たところは一つもない。目はグルーズのより半分も小さい。(三四郎 4)
 
 グルーズはジャン=バティスト・グルーズで、フランスの新古典主義を推進させた風俗画家のひとりです。グルーズは神々の世界を描かず、あどけない少女像や女性たちの肖像画、感受性豊かでありながらも現実的な姿で捉え、風俗画で人気を得ました。
 ただし、その人気は一時的なもので、18世紀後半になると評価が下がり、死後はほとんど顧みられない存在となりました。
 グルーズは 1725年8月21日にフランス東部の町・トゥルニュに生まれます。父は屋根職人で、息子に自分の仕事を継がようと考えていましたが、リヨンの肖像画家シャルル・グランドンに才能を見出され、弟子となります。
 1750年にグルーズはパリに出て、王立絵画彫刻アカデミーに入学。ロココ画家のナトワールに師事し、道徳的な画題が評価されました。修道院長ルイ・グジュノのバックアップを受け、画壇での地位を確立しました。
 当時の画壇では、風俗画は歴史がと比べて一段低い位置に置かれていましたが、当時の人々はグルーズが描く美しい作品を愛しました。ただ、人の心は移ろいやすく、フランス革命後に起こった新古典主義が流行すると、グルーズの絵は誰も見向きもしなくなり、1805年、グルーズは極貧のうちに亡くなっています。






最終更新日  2021.12.02 19:00:06
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