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土井中照の日々これ好物(子規・漱石と食べものとモノ)

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2018.10.18
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カテゴリ:正岡子規

 
『墨汁一滴』の明治34年4月5日には、子規が初めて蓄音機を聞いた時のことが書かれています。子規のところに黒井恕堂がやってきて、蝋管式の蓄音機を風呂敷から取り出しました。恕堂の持っている蝋管は18ほどで、その中に「ラーフィンソング」というのがあり、子規はその歌に自分なりの歌詞をつくりました。
 
 恕堂がある日、大きな風呂敷包を持て来て、余に、音楽を聴くかというから、余は、どんな楽器を持て来たのだろうかと危見ながら、聴く、と答えた。それから瞳を凝らしてを解いて恕堂のすることを見ていると、恕堂は風呂敷を解いて蓄音器を取り出した。この器械は余は始て見たので、一尺ほどのラッパが突然と余の方を向いて口を開いたようにしていたのもおかしかった。それからまた箱の中から竹の筒を六、七寸に切ったようなものを取り出した。これが蝋なので、この蝋の表面に極めて微細な線がついておるのは、これが声の痕であるそうな。これを器械にかけてねじをかけると、ひとりでにブルブルブルブルといい出す。この竹の筒のようなものが都合十八あったのを取り更えててかけて見たが、過半は西洋の歌であるので我々にはよくわからぬ。しかし日本の唱歌などに比べると調子に変化があって面白く感じる。 日本のは三つほどの内に越後獅子の布を朧す所じゃというのが一つあった。それは甚だ面白かった。西洋の歌の中にラフィング、ソング(笑歌)と題するのがあって何のことだかわからぬが、調子は非常な急な調子で、ところどころに笑い声が這入っている歌であった。これは笑い声に巧みなという評判の西洋音楽師が吹き込むだんだそうで、今試みにこの歌を想像して見ると、
 
   鴉が五六羽飛んで来て権兵衛の頭に糞かけた
   アッハハ、ハッハ、アッハッハ
   神鳴り四五匹ゴロゴロゴロ、雲の上からスッテンコロコロ、
   物ほし台にひかかった。太鼓が破れて滅茶々々だ。
   アッハハ、ハッハ、アッハッハ
   猫屋の婆さん四十島田、猫の子十匹産みおった。
   白猫、黒猫、三毛猫、山猫、招き猫。
   アッハハ、ハッハ、アッハッハ
というようにも聞えた。併し原作はこんなに俗であるかどうか、それは知らぬ。(墨汁一滴 34年4月5日)
 

 
 子規の記述を見ると、この「ラーフィング・ソング」は「笑い声に巧みなという評判の西洋音楽師が吹き込むだんだそうで」とあります。当時、話題になったといえば、黒人のジョージ・ジョンソン(1846-1914)で、この曲は1891年につくられています。この「ラーフィング・ソング」は、録音された最初の黒人の歌なのだそうです。
 
 この歌の歌詞を一部紹介すると、
   As I was coming around the corner i heard some people say.
   Here comes the dandy darkie here he comes this way.
   His heel is like a snow plod his youth is like a trap 
     and when he opens it gently you will see a fearful gap and then I laughed
   (Laughter)
   I could not help from laughin'
   (Laughter)
   I could help from laughin'
   (Laughter)
 
   Oh is mother was a princess his father was a prince.
   And he'd be the Apple of their eye if he hadn't' been a quince.
   He be the king of Africa and the sweet by and by and 
    when I heard him say it i laughed until I cried and then I laughed
   (Laughter)
   I could not help from laughin'
   (Laughter)
   I could help from laughin'
 
   An a actor came to see me about a week ago
    he said to me come sing a song down at our little show.
   And when he told me about the scenes so nice and so complete.
   I could not stop my laughin' from my head down to my feet.
   And then I laughed
   (Laughter)
   I could not help from laughin'
   (Laughter)
   I could help from laughin'
 
 適当に訳して見ると、
  この角を曲がったところで、僕は誰かが喋っているのを聞いた。
  この道に、とてもダンディな黒人がやってきてた。
  彼のかかとは除雪車のよう、彼は若くてまるでオカマのよう、
   そしてとても優雅にそれを開けた。
  あなたはものすごいギャップを感じて、そして笑うだろう。
  (笑い声)
  笑わずにはいられない。
  (笑い声)
  笑わずにはいられない。
 
  彼のお母さんはプリンセス、彼のお父さんはプリンス、
  彼らの目はリンゴのようになるが、マルメロほどにはならない。
  彼はアフリカの王様で、彼が言うことを聞いた時、僕は叫んで笑った。
  (笑い声)
  笑わずにはいられない。
  (笑い声)
  笑わずにはいられない。
 
  一週間前にやってきた役者みたいに、ちょっとしたショーをして歌を歌うと彼はいう。
  素敵に完璧にそのシーンについて語った時、
   私に沸き起こった笑いを止めることができなかった。
  そして、僕は笑った。
  (笑い声)
  笑わずにはいられない。
  (笑い声)
  笑わずにはいられない。
 
 僕の訳が悪いのか、あんまり面白いとはいえない歌詞ですね。






最終更新日  2018.10.18 00:10:09
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