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土井中照の日々これ好物(子規・漱石と食べものとモノ)

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2018.12.24
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カテゴリ:正岡子規
 

   芭蕉忌に笠きせて見はや枯尾花(明治26)
   芭蕉破れて古池半ば埋もれり(明治28)
   芭蕉忌に芭蕉の像もなかりけり(明治29)
   芭蕉忌に參らずひとり柿を喰ふ(明治30)
   煤掃の過ぎて會あり芭蕉菴(明治30)
   旅に病んで芭蕉忌と書く日記哉(明治31) 
   芭蕉忌に何の儀式もなかりけり(明治31)
   芭蕉忌や芭蕉に媚びる人いやし(明治31)
   無落款の芭蕉の像を祭りけり(明治31)
   牡丹散つて芭蕉の像そ残りける(明治32)
   鶺鴒や池の渚の芭蕉塚(明治32)
   蓑蟲のなくや芭蕉の塚の木に(明治32)
   芭蕉忌や古池や蛙飛びこむ水の音(明治33)
   芭蕉忌や我俳諧の奈良茶飯(明治33)

 明治24(1891)年頃から、子規は本格的に「俳句分類」に着手します。これは、古今の俳句を季題別に分類するという壮大な仕事で、このままでは俳句がなくなってしまうと考えた子規は、この仕事に没頭します。
 明治25(1892)年、「日本」に連載された『獺祭書屋俳話』で、子規は俳論を系統的に展開します。翌年には『芭蕉雑談』を発表して俳句界を騒然とさせました。もともと、子規は、芭蕉の業績を旅で辿るなど、その作品を愛していたようなのですが、芭蕉の句は詩としての純粋性に欠けていると指摘し、様式的で類型的な元禄時代以後の俳句を「月並俳句」と断じたのでした。
 
 明治28(1895)年の『俳諧大要』では冒頭に子規は「俳句は文学の一部なり。文学は美術の一部なり。ゆえに美の標準は文学の標準なり。文学の標準は俳句の標準なり。即ち絵画も彫刻も音楽も演劇も詩歌小説も、皆同一の標準をもって論評し得べし……一般に俳句と他の文学とを比して優劣あるなし。漢詩を作る者は漢詩をもって最上の文学となし、和歌を作る者は和歌をもって最上の文学となし、戯曲小説を好む者は戯曲小説をもって最上の文学となす。しかれども、これ一家言のみ。俳句をもって最上の文学となす者は同じく一家言なりといえども、俳句もまた文学の一部を占めてあえて他の文学に劣るなし。これ概括的標準に照らして自ずから然るを覚ゆ」と記し、俳句は芸術だと訴えます。
 

 
 明治30(1897)年の『俳人蕪村』には「結果たる感情を直叙せずして原因たる客観の事物をのみ描写し、観る者をしてこれによりて感情を動かさしむること、あたかも実際の客観が人を動かすが如くならしむ。これ後世の文学が面目を新たにしたるゆえんなり。要するに主観的美は客観を描き尽くさずして観るものの想像に任すにあり」と書き、蕪村の俳句が技法的に洗練されている点を評価し、蕪村の再評価を図ります。
 
 子規の俳句は、短文で簡素なものが最良とするスペンサーの文体論や「小日本」の画家・中村不折らの写生の影響を受けています。想像やことば遊びに留まらず、一瞬の感動を見たままに伝えることを重視しました。『俳句の初歩』には「写実的自然は俳句の大部分にして、即ち俳句の生命なり。この趣味を解せずして俳句に入らんとするは、水を汲まずして月を取らんとするに同じ。いよいよ取らんとしていよいよ度を失す。月影紛々ついに完円を見ず」と書かれ、写実的自然こそが俳句の本質だと皆しています。
 子規の俳句運動は、「新派」「日本派」「根岸派」と呼ばれました。この活動の舞台は、のちに「ホトトギス」に移り、俳句革新によって、俳句界に活気を取り戻すことに成功したのでした。





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最終更新日  2018.12.24 07:02:10
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