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土井中照の日々これ好物(子規・漱石と食べものとモノ)

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2022.04.13
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カテゴリ:正岡子規
   晝淋し梨をかぢつて句を案ず(明治29)
 
 子規は明治29年12月28日の「日本」新聞に発表された『松蘿玉液』の「菓物」で「梨は涼しくいさぎよし。南窓に風を入れて柱に倚り襟を披き片手に団扇を持ちながら一片を口にしたる氷にもまさりてすがすがしうこそ。川崎八幡などを通りかかりて時ならぬ頃茶屋の店先に見つけたる殊にうまし」と書いています。
 これは、明治27(1894)年11月3日に発表された『間遊半日』にある川崎大師に出かけた際の子規の思い出でもあります。当時、川崎の名物は梨や桃などの果樹栽培で、露天でそれらを並べて売っていたのです。「梨うる家など見え初めて、貧村の国旗もあわれに勇まし。……お休みなされ、名物買うてたべ『何々餅』『彼々餅』とやかましき声を後に聞き捨て、老婆の小店に憩う。『行く秋に梨ならべたる在所かな』老婆が言うに、夏の日照りで焼かれて、今年の梨は全くはずれれば、例年よりは値段も高い、来年もまた実入りが悪くなるであろうという。見なされ『畠は真白だ』、見れば梨の木に帰り花の咲き誇る。梨園を畠というも面白く、花とはいわずただ『真白』だというも奇なり(間遊半日)」と書かれています。
 
   川崎や小店小店の梨の山
   極上々あわ雪と記す梨の札
   梨くふは大師戻りの人ならし
 
『仰臥漫録』には、子規の毎日の食事が書かれていますが、9月の食卓には、いつも梨が顔を見せます。
 9月2日は「昼飯後梨二つ、夕飯後梨一つ」、9月3日は夕食に「梨一つ」、9月4日は昼食に「梨二つ」晩食に「梨一つ」、9月5日は間食に「梨一つ」、9月6日は昼に「梨」と間食に「梨一つ」、9月7日は昼に「梨一つ」、9月8日は昼と夕食に「梨一つ」ずつ、9月9日は午に「梨一つ又一つ」、9月10日は午飯に「梨二つ」と夕飯に「梨二切」、9月11日は夕飯に「梨一つ」、9月12日は午飯に「梨一つと夕飯に「梨一つ」、9月13日は午飯に「梨一つ」と梨が続きますが、一日お休みがあって、9月16日には「石巻の野老という人より小包にて梨十ばかりよこす。長十郎という梨とぞ。一つくうに美味あり」と嬉しい贈り物があり、その日の朝昼晩に「梨一つ」ずつ食べています。9月17日と18日は昼に「梨一つ」、9月19日は昼と晩に「梨一つ」、9月20日は昼に「梨一つ」、9月21日は昼と晩に「梨一つ」、9月22日は昼に「梨一つ」、9月23日と24日、25日、26日、27日、28日、29日と昼に「梨一つ」を食べるのが習慣になっています。
 9月30日は梨を休みますが、10月1日は晩に「梨一」、2日は昼に「梨二つ」と晩に「梨一」、3日は昼に「梨一」を食べています。
 式の健康状態はどのようなものかというと、2日の容態は「一両日来左下横腹(腸骨か)のところいつもより痛み強くなりし故、ほーたい取替のときちょっと見るに真黒になりて腐りおるようなり。定めてまた穴のあくことならんと思わる。捨てはてたからだどーならうとも構はぬことなれども、また穴があくかと思えば余りいい心持ちはせず。このこと気にかかりながら午飯を食いしに飯もいつもの如くうまからず。食いながら時々涙ぐむ」という状態でした。
 ただ、8日になると昼と晩に「梨」、18日の晩に「梨一つ」。そろそろ梨のシーズンは終わりになったようです。





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最終更新日  2022.04.13 19:00:06
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