東京フリー・メソジスト教団付協力牧師 甲斐慎一郎 説教要約

2021/02/27(土)19:00

説教要約 1243

​​​​​​​​​​​​​​​「信仰の効用(1)信仰を成長させる三要素」​2021年2月28日インターネットのテレビ局CGNTV(⇒みことばに聞く⇒関東⇒東京B)の番組に当教会の牧師が出演しました。2014年5月14日放映「​イエスを仰ぎ見なさい(1)​」​「信仰を成長させる三要素」​                 甲斐慎一郎                  創世記、50章15節  私たちが神への信仰を持つなら、神は私たちの信仰に応えて私たちの心に働いて良い実を結ばせてくださいます。そこで信仰の効用について三回に分けて考えてみましょう。◇信仰の効用(1)――信仰を成長させる三要素◇信仰の効用(2)――信仰を形造る三要素◇信仰の効用(3)――信仰を建て上げる三要素 ​ 一、忍耐を生じさせる信仰​  聖書は「信仰がためされると忍耐が生じる」と教えています(ヤコブ1章3節)。  ヨセフは、祖先から良い信仰を受け継ぎ、神を愛し、罪を憎む青年でしたが、彼の温室育ちの信仰は、嵐が吹き荒れる厳しい現実の世界で試されなければなりませんでした。  ヨセフは、兄たちに妬まれて穴に投げ込まれましたが、まず孤独に耐えなければなりませんでした。そしてエジプトに売られて奴隷になりましたが、次にしもべとして人に仕える忍耐を学ばなければなりませんでした。さらにポティファルの妻に訴えられ、無実の罪を着せられ、投獄されましたが、第三に中傷や非難を耐え忍ばなければなりませんでした。  信仰が厳しい現実の世界で生かされていくための第一の要素は忍耐です。信仰は「見えないものを確信させる」もので(ヘブル11章1節)、神の約束と保証に立って、遠くの良いことを見ることです(同11章13節)。決して霊的な近視眼ではありません。 ですから現在の一時的な孤独や苦難の中でも、つぶやかず、疑わずに、忍耐をもって黙々と神と人とに仕えていくことができます。信仰は、人を焦らせず、性急にさせずに、神のよしとされる時まで耐え忍ばせるものなのです。  ​二、希望を生じさせる信仰​  聖書は、「信仰により……望み」を抱くと記しています(ガラテヤ5章5節)。  ヨセフは、兄たちによって穴に投げ入れられる時には理解することができずに苦しみましたが、エジプトに奴隷に売られてからは、嘆いたり、つぶやいたり、くよくよしたりせずに、喜々として働いています。また無実の罪を着せられて牢獄に入れられても、嘆いたり、つぶやいたり、くよくよしたりせずに、かえって人を慰め、励ましています。 信仰が厳しい現実の世界で生かされていくための第二の要素は希望です。「心に憂いがあれば気はふさぐ」のであり(箴言15章13節)、希望を失ったなら、気力がなくなり、自暴自棄に陥ってしまいます。 しかし信仰は私たちに希望を与えます。なぜなら信仰は、自分の周囲の様々な人間や境遇は、第二原因に過ぎず、第一原因は神であることを私たちに教えるからです。信仰者は「雀の一羽でも……父のお許しなしには地に落ちることは」ないことをよく知っています(マタイ10章29節)。信仰は、過去のいかなることにもとらわれず、くよくよせずに第一原因である神を信じて希望的観測をするのです。  ​三、愛を生じさせる信仰​  聖書は「愛によって働く信仰」が大事であると教えています(ガラテヤ5章6節)。  ヨセフは、過去を回顧し、兄たちの嫉妬やポティファルの妻の中傷や献酌官長の忘恩など、人間の罪や失敗をも凌駕して余りある神の支配と導きを現実に見ながら、今さらのように神の愛の広さ、長さ、高さ、深さの計り知れないことを知って感激したにちがいありません。この神の愛を現実に知ったヨセフは、兄たちに対して恨みや復讐心などはみじんもなく、ただあるのは赦しと愛だけでした。  信仰が厳しい現実の世界で生かされていくための第三の要素は愛です。ヨセフは、その人の信仰の有無を問わず、周囲の人は自分の​姿を写す「鏡」(箴言27章21節)、自分を磨く「砥石」(同27​​章17節)、神に仕えるための「相手」(マタイ25章40、45節)で​あることを知ったのでしょう。 しかしこれは、自尊心が強く、体面を重んじ、誇りの高い人には受け入れがたいものです。ただヨセフのように、様々な逆境や苦難を通らせられて、謙遜と自己否定を学んだ人のみ愛と感謝をもって受け入れることができるのです。甲斐慎一郎の著書→​説教集​久米小百合氏司会「本の旅」→「​神のご計画の全体​」​​​​​​​​​​​​​​

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