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ユーカリの木陰で里の行

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2019.05.25
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5月24日の日記「忙し過ぎて心がキリキリしてきたら、ターシャと過ごそう(前編)」​の続きです。
 

ターシャの人生は、概要を聞いただけでも山あり谷あり―

お伽噺のプリンセスのような恵まれた人生ではなさそうだったけど、彼女は「ずっと幸せだった」と言い切っている。

「思い通りに生きてきた」から、と。

 

「私はいつも自分が欲しいものを手に入れてきた。

それは忍耐強かったからよ。

決して諦めないことが大切なの。

私の人生は忍耐の連続だった。

でも忍耐の後に得るものは絶対にその価値があるのよ」

 

確かに、そうかもしれない。

忍耐の後に得る喜びは、大きい。

私たち夫婦はなかなか子どもに恵まれず不妊治療をしてやっと授かったのだけれども、念願の子どもたちから得られた喜びは測り知れない。

そのうえ不思議な体験にまで恵まれて、そこから小説まで書くことになったのだ。

 



Tamago39歳の不妊治療』Kindle電子書籍

 
『Tamago』単行本

 

ターシャは4人の子どもたちを授かった。

農業をしながら4人の子育てをしていた当時の母親のことを長男が回想している。

4人の子どもたちのみならず家畜やペットの世話をしながら料理や裁縫をこなし、読書や庭仕事を楽しみ、同時に絵も描いていたんだそうだ。

私など想像しただけで疲れ果ててしまいそうほえーな生活だけど、

「でもいつも(母は)楽しい楽しいって、やってたよスマイル」と、長男。

 

「子どもたちと私は<探検>と称して毎朝寝巻のまま外に出て、<昨日と違う何か>を探して回ったの。

楽しかったわ」と、ターシャ。

 

その笑顔に刻まれた皺を見ながらしみじみ思わされた。

彼女は幸せでいるためにクリエイティヴな努力を惜しまなかったんだなぁ、と。

 

目まぐるしい都会の生活とは違って、農場の暮らしはのんびりと、変化に乏しい単調な毎日になりそうな気もするけれど、ターシャと子どもたちは毎朝起き抜けに<昨日と違う何か>を探す探検に出ていた。

日常生活のなかに小さな喜びを見つけて、楽しむ。

当時のターシャ・ママは忙しかっただろうに、子どもたちと素敵な時間を持つことのできる余裕を持ち合わせていたのだろう。

 

この余裕こそ幸福の鍵手書きハートなんだと思う。

心に余裕がなければ、何をしても本当には楽しめない。

好きなことややりたかったことをしているときでさえ、慌し過ぎると心は悲鳴を上げてしまうんだ。

 

この年末、日本に一時帰国したときのことが思い出された。

後何年こうして両親の暮らす実家に帰ることができるのだろうかと思えば、目に見えて年を取ってきた両親とできるだけ一緒に過ごしたいと思っていた。

身体の自由が利かなくなってきた母に代わって、日本に滞在しているときだけでも家事全般も引き受けて。

 

とはいえ1年ぶりの帰国なので、自分自身が浮足立っている。

やりたいこと、行きたい所、会いたい人、食べたいものと〈やりたいことリスト〉も長々と。

子どもたちの方も成長するにつれ日本滞在でやりたいことが益々出てきて、毎日はあっという間に予定で埋まってしまう。

 

気がつけば、時間に追われて急かされて―

いつの間にか<やりたかったこと>さえ<しなければならないこと>リストの項目のようになってきて―

 

あるとき今日もこんな時間・・・急いで夕食を・・・と子どもたちを急かし家に戻って、母に頼まれた買物をそっくりお店に置き忘れてきたことに気がついた。ショック

自分の間抜けさを呪いつつ、さっき運転してきた道を戻りながら、自分でも驚いたことに目頭が熱くなっていた涙ぽろりのだった。

そんな自分の反応に呆れ、思った。

何やってるんだろ、自分… しょんぼり

 

仕事や家事や子供の面倒に追われる日常生活ならいざ知らず、これは年に一度の一時帰国で、子どもたちなど夏休みホリデー中だと言うのに、この慌ただしさは何なんだ!?

いったい毎日、何を焦って飛び回っているんだろうか。

頭ばかりがせかせかと次の行動を考えてしまって、心はちゃんと楽しんでいないじゃないか。

喜びどころか、むしろストレス…?

 

何を贅沢なことを…と思ったとき、贅沢という言葉にハタと思い当たった。

これなら、和食もお風呂もない、テントに居候させてもらって、寝袋の中で寒さに震えながら眠り、シンプルな食事をしていたリトリートの方が(2018512日の日記「キャンプdeリトリートと夢見」​に)、まだしも心は弾んでいた。

ニュンネだって(2017529日の日記「Nyung Nye浄化のリトリート」​に)、ただ断食断飲、無言の行をしながら慈悲の心について瞑想しているだけだというのに、むしろ満たされ、落ち着いていた。

心の平穏という点でいうなら、メルボルンでの平凡な日常の方がまだしも・・・。

 

これってば、やっぱり…

日本に来てから慌しくて、ろくに朝の瞑想もしていなかったことが悔やまれた。

毎日の密教行だって、手抜きのせかせかしたもので…。

里帰りなのだからと気を抜き過ぎ手を抜き過ぎて、心の鍛錬がおざなりになっていたのだ。

仏教でいうMonkey Mind、ただ反応し続けるだけのとりとめのない心で、Mindfulnessからは程遠く…。

そのうえ、やりたいことややるべきだと決めたこと、要は執着や期待が大き過ぎて、「足るを知る」の心には程遠くー
「感謝」の余裕もなく― しょんぼり

 

「すべての瞬間を楽しみなさい。

五感のすべてで命を感じなさい」

 

まさにマインドフルネスだ。

ターシャは毎瞬毎瞬に心を込めて生きようとしてきたのだろう。

状況に反応して流される<お猿さんの心>ではなく、<意識的に>生きよう、と。

彼女から<選ぶことの大切さ>について学んだと孫の奥さんが言っていた。

 

「家の仕事にしても趣味にしても、何をして何をしないか、誰と会って誰と会わないか、人生は小さな選択の積み重ねでできていると言うのです。

(ターシャは)すべての選択を真剣に行ったから自分の世界を築けたのですよね」

 

人生は小さな選択の積み重ね―

本当にその通りだと思う。

ターシャは自分にとって重要なことを知っていた。

人生のプライオリティを明確に意識して生きてきたんだ。

 

 

そんなターシャは心の真ん中に「Still Water」と自分で名付けた信念をもっていた。

 

「私は静かな水のようにありたいと<Still Water教>を発明したの。

人間はないものねだりばかり。

欲望で不満を膨らませているの。

まずは静かな水のように世界を受け止め、感謝することから始めたいわ」

 

その信念について息子も語っている。

「静かな水のように穏やかであること、

水鏡に映し、自分を知ること、

周りに流されず自分の速さで進むこと。

それを母はスティル・ウォーター教と言って冗談めかしていましたが、そのように生きていました。

いつも手を動かすことを楽しみ、自ら作り出したものに幸せを与えられ、そうして積み重ねた人生は充実したものでした」

 




「人生なんてあっという間に終わってしまうわ。

好きに生きるべきよ。

幸せは自分で創り出すのよ」


 

そう語っていたターシャはもういない。

2008年に92歳で永眠したのだ。

 

幸福は自ら作り出す。

だから、心を迷子にしないようにする。

 

ほんとうに、その通りだと思う。

今度、心がわさわさしているなと気がついたら、立ち止まって深呼吸してみよう。

それから自分の心に聞いてみるんだ。

耳を傾けてみれば、ちょっとコーヒーで一息つきたいとか、温かいお湯につかりたいとか、瞑想したいとか、案外、他愛ないことかもしれないな。

 

まずは、汝自身を知れ、ですよね。

それから、周囲の状況だけでなく自分自身も、自分の求めているものさえも、実は刻々と変化しているのだということを意識してみよう。

今人生で与えられていること、不要になったこと、整理した方がいいことなんかについても思いを巡らせてみたい。

自分にとっての豊かな人生について、のんびりと夢想してみるのも楽しいかもしれないな。

今よりもう少し豊かに生きるために、できることを考えてみよう。

 

ありがとう、ターシャ。ぽっ

なんだか最近疲れてるなぁ…と感じたら、ターシャに会ってみませんか?


 

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Last updated  2019.05.25 11:30:53
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