2005/10/24(月)20:01
【炎と花 上・下】キャサリーン ウッディウィス著
【炎と花 上・下】キャサリーン ウッディウィス著/ 古田 和与訳
〈上〉
1799年、イギリス。両親を亡くしたヘザー・シモンズは、冷たい伯母のもとで辛く貧しい日々を送っていた。ロンドンに行きたい…、それがヘザーの夢だった。そんな折、伯母の弟ウィリアムがやって来る。アイリッシュの血をひいた美しいヘザーを見るなり、好色な彼は甘い言葉でヘザーをロンドンに連れ出す。罠と気づくヘザー。襲いかかるウィリアム。もみ合ううち、ヘザーのナイフがウィリアムの胸に。
〈下〉
貿易船フリートウッド号の船長、ブランドンが、ヘザーを売春婦と思い一夜を共にしたことから、彼女の人生は大きく変わっていく。ヘザーは、ブランドンの子供をみごもっていたのだ。父の親友ハンプトン卿のはからいで彼と結婚し、子供に父親はできた。しかし、アメリカに向かった二人を待ち受けていたのは、人々の好奇の眼差しだった。なかば強制された結婚から、やがて本当の愛の芽ばえを予感できるようになった静かな日々、そのなかに突如、不審な殺人事件が重なって起こる。しかも疑いが、ブランドンにかけられているというではないか。
あっ!コピアの簡単感想 ★★★★★
裕福な家庭の娘として育ったヘザーは、父の死後、冷たい伯母のもとで辛く貧しい日々を送っていた。
このあたりはシンデレラっぽい話ですが、ヒーローは、ハンサムでもてもてで、お金持ちだけど王子様のようにヒロインに夢中ではあっても、決して心優しい男性ではないのです。
ヘザーの人柄に、ブランドンの周囲の人々はどんどん惹かれて彼女を受け入れていくのに、当のブランドン本人は素直になれず、なかなかヘザーを受け入れようとはしません。
切なくてイライラ・ハラハラさせられます。