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October 18, 2004
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カテゴリ:読書
『不良品』(宇梶剛士さん著/ソフトバンクパブリッシング)を読みました。

俳優の宇梶さんは、元暴走族の総長です。
2000人のトップだった方です。

2000人の企業の社長よりも、2000人を束ねる暴走族ヘッドになることの方が稀有な経験でしょう。
それはともかく、そういう経験(何千人かの上に立つ経験)に至るには、何かしらの理由があるのではないかと思います。
それは言語で表すことのできることもできないこともあるでしょうが、なにかがあってそうなるのでしょう。
そんなことを考えながら読みました。

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 スタジオに入った瞬間、「あっ」と思わず口にしてしまった。茶髪、特攻服、斜に構えた態度、鋭い目つき。そこにいたのは、かつての自分だった。
 彼らはカメラの前で吠えた。
 「学校は何もしてくれない」
 「自分はなにもしていないのに、ことあるごとに先生から目をつけられた」
 「いじめを受けて先生に相談したのに、口ばかりで結局なにもしてくれなかった」
 「直接自分をしかれないくせに、なにかあるとすぐ警察を呼んで問題児扱いする」
 「学校を辞めたくなかったのに、退学を言い渡された。それなのに自主退学扱いになった」
 「先生のやり方がどうしても許せなくて殴った。そんなに先生は偉いのか」
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 だから、ワルと言われ、社会に背を向けている先輩達を漠然と、格好いい人達だと思っていた。仲良くなったワル達にも、そういう自分を求められていたし、彼らとは気も合ったので、一緒にいて楽しかった。そして学校はダメだ、先生は当てにならない、社会は腐っていると反発していた。

 あらためてスタジオを見渡した。
 誰もがエネルギーを持て余しているようだった。彼らはかつての自分であると同時に、自分の子供と同世代でもあった。
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役者なので、もの分かりのいいワルの先輩というキャラクターを演じられたはずだが、このときの僕は、後先考えず彼らに向かって熱くなっていた。
 「自分の生き方を貫けば、どこかで必ず出る杭は打たれる。それでも、自分を曲げずに生きる道を選ぶのなら、それもいいと思う。けれど、自分が生き方を決めた以上、なにか問題が発生したときに学校や社会や大人のせいにすべきではない」
 最後に意見を求められて僕がこういったとき、ずっと収録中睨んでいた彼らのうち数人がうなずいた。彼らの未来がどうなるかは分からないけれど、こんな偉そうな意見を少しでも受け止めてくれたのかと思ったら、嬉しかった。

(205-211P)
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自分の経験を基にした話は、若い胸に重く響いていくことがあります。
それは例えばこの場合に、暴走族の経験があるかどうか、ということがポイントなのではありません。
自分がなりふり構わず必死になった経験、倒れそうなくらい努力したり入れ込んだりした経験、何かに集中し続けた経験、目標を達成するために長い間(流されないよう)自分をコントロールしてきた経験、頑固になってきた経験、自分に正直になってきた経験、壁にぶつかってきた経験、理不尽に対処してきた経験、そういうことが発する言葉に乗っていくのだと思います。
その結果に得たことやそこで何を考え、感じたか、そこにリアルが存在します。

その対象が何であれ、エネルギーをぶつけてきた経験、ギリギリで勝負してきた経験は、その人の内部に残ります。
どういうことにエネルギーを振り向けてきたか、という違いだけで、「エネルギーを出す」ということにおいてそれは若い人に伝わり得るものとなるのです。

(自分自身)根性入れ直さないとな、と思いました。






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Last updated  November 7, 2004 01:55:23 AM
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