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GOD OF THE DEAD~プロローグ~その1

GOD OF THE DEAD

~プロローグ~―始まりの序章―

「私、自殺する・・・」
と一人の少女が屋上の柵の向こう側でそう言った。
「まて!なんでそんなことするんだ!」
その少女の反対側で一人の青年が叫ぶ。
「和哉がいけないのよ!」
少女も必死に叫ぶ。
「俺が何をしたって言うんだ!」
和哉と言われた青年は必死に叫んだ。
「和哉が私以外の女の子と・・・・」
小さく呟く
「なんだって?」
和哉は問いかけた。
「和哉が私以外の女のこと楽しそうにデートしてたのを見ちゃったのよ!」
少女は叫んだ。
「!?違う!あれはお前以外の彼女じゃないんだ!まどか!あれは」
青年は叫びながら少女の名前を呼んだ。
「いやっ!言い訳なんか聞きたくない!」
まどかと言われた少女は耳を塞ぎ頭を振った。
そのときだった。
足を滑らせ彼女はコンクリートとの感覚が消えた。
「え?」
驚きのあまりにそれだけの声を出すだけしかできなかった。
「!?まどか!」
青年は叫んだ。
「私死ぬんだね・・・落ちたら痛いだろうなぁ・・・でも全部忘れられるんだよね・・」
そして彼女は涙を流し死を覚悟した。
そのときだった・・・・
「まどか!」
そんな声が聞こえて彼女は誰かに抱きとめられた
「え?」
それは和哉だった。
彼はまどかが落ちた瞬間彼も彼女を助ける為飛び降りたのだ
「なん・・・・で?」
彼女は問う
だが・・・・
その答えは返ってこなかった。
ゴンッ
骨が硬い物質に叩きつけられた鈍い音がした。
「痛ッ―――」
それは屋上からコンクリの大地へと人が落ちた音
彼女ともう一人彼が・・・・
「私・・・・生きて・・・る?」
体中が痛むものの死んではいない痛いということは感覚がハッキリしている証拠だ。
「和哉くんは・・・・!?」
言葉を失う光景だった。
彼が・・・和哉が血まみれになって自分の下敷きになっているのだ。
「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
彼女は先ほどよりも数十倍の声で叫んだ。
「どうして!どうしてなの?ねぇ和哉くん!ねぇ!」
彼のまぶたが開く。
「まど・・・・か・・・生き・・・て・・たか・・・よか・・・った・・・」
和哉は声を振り絞ってそう言った。
「ねぇどうして私なんか助けたのよ!」
まどかは叫んだ・・・大粒の涙を流しながら・・・
「おま・・・え・・・が・・・好き・・・だから・・・うし・・ない・・たくない・・・から・・・」
和哉は、小さな声でそう答えた。
「え?」
まどかは目を丸くして驚いた。
「え?じゃあ、あの女の子は・・・・な・・・に・・・?」
彼女は動揺を隠せない顔をして呟いた。
「あれは・・・おれ・・の・・いとこ・・・だ・・・」
彼はそう答えた。
「え?じゃあ私勘・・・・ちが・・・い?・・そんな・・・はず・・」
彼女は先ほどよりも大粒の涙を流し和哉と向き合った。
「ははは・・・お前・・・らしい・・よ・・・でも・・さい・・・ごに・・伝わって・・・よか・・た・・・」
彼は笑いながらそういった。
「最後・・に・・・ひとつ・・・だけ・・・お前より・・・さきに・・・しんじまって・・・ごめ・・・ん・・・・」
そういい残し彼は安らかな顔で息を引き取った。
「最後?ちょっとまってよ!ねぇ和哉くん目を開けてよお願いだからねぇ!ねぇ!」
彼女は彼に向かって叫んだ。
だが和哉は目を開くことは二度となかった。
「いや!いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
彼女まどかは彼和哉を抱き締め叫びながらなき続けた。
自分の意識が無くなるまでずっとずっと・・・・



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