メッチャ悪妻

今日は。
昨日と同じ足場がも一つ裏に。

昨日は管理人さんは不在だったけど、今日は管理人さんの来る日で。
朝一、ご挨拶。女性の管理人さんでホット安心。
「昨日はご不在だったので、ご挨拶できませんでしたが、よろしくお願いします。」ペコリ。

返事が無い。？？
人見知りする人なのかな？？

私は私服だったので、仕事着に着替えたくて、
「着替えをしたいので管理人室、使わせてもらっていいですか？」
そしたら、
「アンタとこの会社、仮設事務所を設置するって言うとったやん。それ、どうなっとん?」
後は文句の嵐。

忙しい時に文句、聞く時間無いから「もう、いいです。」って事で私服のまま。
もし、汚れたらハゲちゃんにクリーニング代を請求したらいいわ。

鳶ちゃんと打ち合わせして、足場の材料を搬入し始めた。ところに、
管理人のオバハン、何を血迷ったかホースで水を撒き出した。

足場を設置する周りは水浸し。
足元はタイルで滑り易い。
何十ｋとある材料を運んでんのに足元、ツルツル。
鳶ちゃんのニッカポッカもビチョビチョ。
じか足袋もグショグショ。

我慢・我慢。

我慢してたら、鳶ちゃんに文句、言いだした。
同じ、文句を私に言いだした。

キレました。
「ああ、すんません。」メッチャ、そっけなく。

相手も逆ギレ。
「なんや、アンタ。その態度は。」
「会社に電話してやる。」

「ハイ、お好きなように。」

ハゲ会社の上の元請に電話。
しばらくして、元請の専務が登場。

オバハンに「ちょっと、来い。」って言われ三人で事務所に。

取りあえず、オバハンのグチを聞くこと30分。

「すみません、すみません。」ってひたすら謝る元請の専務。
言われても言われても、スミマセン。
言い返えそうとする私に目で、ダメダメ。
わたくし、反省。
ひたすら、首を下に向け、じっと我慢。

ところが、オバハンが全て言い終えてから。その専務。
顔が、顔が、さっきまでの顔とちゃうやん。
目が急に鋭くなって。

「女性が着替えするのに管理人室、借りたいって言うてんのに貸せへんのは差別ちゃいますか？？」
「職人がトイレ借りたいって言うてんのに貸せへんのは職業差別ちゃいますか？？」
「職人の事を”若い奴って”言うのは一生懸命、働いてる子への差別ちゃいますか？？」
「鳶の仕事は命、懸かってるんですわ。それを管理が若い子の命を守を守る為にしてる事をとやかく言うのは止めてくれませんか？職人は人間でっせ。ゴミちゃいますよ。」

かっこいぃぃぃ～。

しかし、相手は女性。
そんな言葉も通用せず。
一日中、文句の嵐。

箸の上げ下ろしまで、とやかく言われ。

でも、鳶ちゃん達はグチも言わずに頑張った。

いつも、いつも職人に小言を言ってる私が今日は守ってあげたい。って気持ちになりました。

私が管理人のオバハン怒らしたのせいで作業は中断・中断。
結局、終わったのは六時半。
スムーズにいけば五時前には終わるはずなのに。私のせいで。

でも、鳶ちゃん達。
「俺達も若いんで、まだまだ、至らない点がありましたら注意して下さい。これからも、よろしくお願いします。」
「監督さん、ありがとうございました。」って全員がお礼してくれた。

みんな、二十歳そこそこの子達だよ。

涙してまいました。

私が鳶ちゃん守る為にした気持ちが伝わったんだ。
そして、あの元請のペコペコ専務も私の気持ちを鳶ちゃんに伝えてくれたんだ。と思うとまた、涙。

私はこれからも、何と言われようが若い子の命を守る為、管理人とも喧嘩するわ。

って今、イケイケだけど。
これ、管理会社に連絡入ったらどうなるか？？

きっと、私はクビ。管理人、怒らしたんだから。

ハゲちゃんに報告したら、「しゃ～ないな。」