2014/11/05(水)01:53
リオへの評価の変遷
リオほど,その実力を,正当に評価されなかった選手は,少ないかも知れない
グラチャン・世界バレーで
リオを「中心選手」と公言するようになった真鍋監督も
その前は,だれでも知っていることだが,リオを冷遇した
客観的な言い方をすると(笑)
長い間、リオより,江畑選手を評価した
ロンドン五輪予選で
キューバ戦で敗色濃厚となってこの試合を落とすとロンドンが絶望!!
という状況になってはじめて,江畑選手に代えてリオを起用
そのリオが,バックアタックを決めまくって
日本は,首の皮一枚まで行ったところで,窮地を逃れた
日本のロンドン五輪は、リオあってのことなのである
こういう状況があっても
その後も,真鍋監督の江畑選手重用は変わらなかった
ロンドン五輪に入っても重要な試合では,常に江畑選手の起用
我々リオ・ファンは、この世には,神も仏もないものか?
とまで、嘆いたものだが(笑)
そんな流れだったのに
ロンドン五輪最後の試合
メダルがかかった,韓国との三決
ここで、思いがけないリオ先発があった
これ以前の韓国戦では、
・ 木村沙織・江畑で惨敗
・ 一方、リオは,韓国相手に快勝
と言う、下地はあったのだが
リオ起用に至った真相は,まだ、よくわかっていない
しかし、それ以降の真鍋監督のリオへの評価は,明らかに変わった
それが、グラチャン・世界バレーでのリオ重用とつながるわけだが
----
ところで、今日、
当時、下記の様なリオへの否定的な評価があったのを見つけた
Zさん(仮名)(笑)の過去ログである
過去ログを引きずり出して失礼とも思うが
リオの過去の評価が,どんなものであったかを知る好例として
優秀なバレー評論で定評のあるZさんの過去ログを読んでみたい
ただ、この頃、私は、Zさんのブログは,まだ見ていなかった
今回、偶然、見つけたのだが
キーポイントに「●」を付けてみよう
----
「迫田さおり選手」
2011-11-19 17:50:42
(前略)
確かにバックスパイクでは魅力的だが、やはり今回の江畑を見る限り、
細かい打ち方、打点の種類、相手との駆け引きなどを考慮すると、
● 迫田の出場は難しいと思った。
ファンの方にはかなり怒られるかもしれないが、
良いトスと悪いトスでの差が激しい。
特に助走が取れないと、ちょっと手に当てただけの
ネットにかけるようなチームのリズムを崩すようなミスもする、
一方、助走とトスが合うと外国選手並みのスパイクを打つこともある。
どうしても江畑と比較してしまうが、
● 江畑は今大会でおそらくどんなトスでも打ちこなすアタッカーに
成長しつつあるような気がするが、
● 迫田はまだいいトスを上げてもらえないと攻撃すらできない状態の時もある。
要は、
● 江畑はセッターを育てていくようなスパイカーになりつつある、
もしくは可能性があるのに対し、
● 迫田はまだまだセッターから育ててもらわないと
難しいような状態にある気がする。
(後略)
----
いやはや
リオへの、ものすごい酷評である(笑)
江畑選手に対しては,
・ どんなトスでも打ちこなすアタッカー
と、ほぼ完璧な選手の様にほめあげて
その一方でリオは、
・ 国際大会への出場は難しい
と言っている
こんなにひどい選手は、全日本に入れるべきではない
これが、Zさんの本音だと思う
・ こう言う酷評をしていたから
・ こういう基本認識があったから
最近のリオに対しても助走が長すぎるなどと、
あまり褒めていなかったのだ(笑)
やっと、理由がわかった(笑)
私が,バレー分析で尊敬するZさんでも、こんなものだったのだ
----
ちなみに、この記事が書かれた時期は2011-11-19 17:50:42
つまり、V.リーグの2011/2012シーズンの開幕直前である
ロンドン五輪の韓国とのメダルマッチはこの記事が書かれた翌年の2012/08/11
つまり、この記事は、五輪より、わずか九ヶ月前の記事である
あの大活躍した五輪の少し前でも
リオは、まだ、こんな酷評をされていたのだ
----
この辺のことを、ちょっと時系列的にまとめてみよう
・ 2011/11/19 Zさんの酷評 すぐV.リーグ開幕
・ 2012/03/23 東レV.リーグ優勝 リオが原動力となる
・ 2012/05/25 OQT キューバ戦 リオが日本を救う
・ 2012/06/22 WGP ドイツ戦 リオ26得点で無双 柳本氏絶賛
・ 2012/06/24 WGP 韓国戦 リオ大活躍で勝利 江畑は休場
・ 2012/08/11 ロンドン五輪 韓国戦 リオ最多の23得点で銅メダル獲得
つまり、Zさんが、リオを酷評している一方で
リオは,大活躍し続けて居る
V.リーグ優勝を皮切りに,特に、六ヶ月後のOQT(五輪予選)キューバ戦で
リオは,日本を救う大活躍をしている
その他の活躍も上記の通り
それなのに、なぜ?
>迫田の出場は難しいと思った。
こんな酷評がありえるのか?
今となっては,非常に奇妙で不思議に見えるが
しかし、Zさんを責めるつもりは無いし
むしろ、こんな酷評は,当時、一般的だったのだ
リオに否定的だったのは、このZさんだけでは無かった、むしろ、一般的だった
キッパリ言っておこう
リオを高く評価した評論家はいなかった!
ただ、例外と言える人はいた
OQT/WGPなどでの解説をした前全日本監督の柳本さんだけは
テレビでの解説で,リオを絶賛していた
柳本さんは、元監督ならではの視点での解説には
さすが!と思うことが多々あった
柳本氏は,ともすれば、無視されがちだが凡庸の解説者達とは,視点がちがう
それだけは、言っておこう
アナウンサー達も同様
今回、世界バレー実況のTBS初田アナ
それに、おなじTBSの土井アナ
彼等は,ハッキリ、江畑選手上げの発言をしていて
憤慨した私は,わざわざ、彼等を糾弾する記事を
ひとつずつ書いたほどだ(笑)
ただ、TBSでも、新タアナウンサーだけは
優秀で、リオに好意的だった
----
要するに、当時の状況では
・ 【私たちファンだけ】
が,リオの能力が
・ 【極めて高い】
ことを主張していた
それが、当時の,実情だったと思う
----
ただ、もし、本当に、この酷評の通りの能力しかないリオなら
リオは,上記の大活躍など出来無いはずだし
ましてや、リオを江畑とは、比較さえ出来ない存在だと言う事なら
そもそも、全日本に呼ばれなかったはずだし
それよりも、なによりも
もし、リオがキューバ戦でいなかったら、どうなっていたか?
火の鳥日本は、ロンドン五輪には,残念ながら,行けなかった
と言う事になるのだが
それに
バレー経験者であればあるほど、リオには酷評をしていたものだ
この風潮は,今でも同じ
バレーしか取り得の無かった人間(失礼)にとって
無名校で、クラブ活動的にバレーをやっていたリオが頂点を極めるなど
許し難いことだったのだろう
そのリオを、真鍋監督は,今は、最高に評価しているではないか?
ちょっと、遅すぎたが(笑)
打ち続く逆境に打ち勝ったリオは、偉い
そのリオを,応援し続けた我々も,偉い(笑)
----
結局、過去のリオへの評価を通してわかったことは
・ バレー経験など、能力評価にあまり役立たない(笑)
・ バレー経験者の見る目など,大したものでは無い(笑)
・ バレーをする人間に,頭のいい人間は少ないからだ(コレコレ)
・ しろうとでも(だれでもとは言わないが)(笑)、肝心な事は、わかる
大変乱暴な意見であることは承知だが、
乱暴に言ってこそ見える真実もある
経験者の頂点と言える真鍋監督ですら
我々の意見にたどり着くのに、ずいぶん時間がかかったのだ
(オイオイ)