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2017/03/27(月)08:37

記事 健康情報 “認知症の兆し”に新指標 本人や家族がチェックすべき33項目

IH【健康・医学情報】(198)

記事 健康情報  “認知症の兆し”に新指標 本人や家族がチェックすべき33項目 ※「国際アルツハイマー病会議」(2016年開催)での発表をもとに、   諏訪東京理科大学の篠原菊紀教授(脳科学)が作成 ※ 週刊朝日 2017年3月31日号より抜粋  認知症の「初期兆候」を測る新指標が国際会議で発表された。 従来の初期症状より一歩手前の、「初期の初期」を知るための一助になるという。 ポイントは情緒面の変化。 認知症は発見が早いほど、進行を遅らせられる。 まずは「健康チェック」気分で気軽に、33項目と向き合ってみてほしい。「もの忘れ」など記憶力に影響が出るイメージが強い認知症だが、“初期症状”として表れる状態はさまざまだ。初期だから診断が難しく、異変のグレーゾーンが広いこともあり、放置しているうちに症状が加速してしまう例も少なくない。 そんなごく初期の兆候を測る新指標として 昨年、国際アルツハイマー病会議で発表されたのが、 「軽度行動障害(MBI)」という状態だ。 これまで認知症に先立つ状態としては、 「軽度認知機能障害(MCI)」が一般的に知られていたが、 認知機能障害に先立って「心理社会的障害」が生じるという指摘もある。 MBIのポイントもそこにある。 つまり、 「情緒面」の変化を測る項目が網羅されているという点が新しいのだ。 「記憶力を測るものはすでにあるが、情緒面を測る指標はこれまであまり見られなかった。 初期に発生する精神的な変化を測る上での助けとなるでしょう」 認知症専門医で、東京医科歯科大学医学部付属病院特任教授の朝田隆さんは言う。「認知症は記憶面の衰えだけでなく、情緒面から入るケースもある 。個々によって症状も進行具合もそれぞれで、必ずしもMBI→MCIと進んでいくものとは言い切れませんが、 早い段階でチェックすることをおすすめします。 本人だけでなく、家族や周囲の人も一緒に確認すると良いでしょう」 下記の33項目のチェックリストは、 諏訪東京理科大学教授(脳科学)の篠原菊紀さんが同発表をもとに、 一般の人でもわかりやすく作成したものだ。 「意欲や関心」 「気分や不安」 「衝動制御」 「社会適合」 「思考」 の五つの観点から状態を測るもので、 理不尽に怒る、我慢が利かなくなるなどの状態も チェック対象に当てはまる。チェックリストの項目は、情緒面が絡む分、本人の主観だけでは測りづらい。 さらに認知症は、本人が症状を自覚していないケースも多いので、 家族をはじめ周囲の客観的なチェックが重要になる。 在宅看護学を専門とする柴山志穂美さん(埼玉県立大学保健医療福祉学部)は、 チェックリストで当てはまる項目には、 それを裏付ける具体的なエピソードをあわせて記述することをすすめる。「チェックリストで不安を感じたら、まずは専門医の診断を。 診断時には、何をもってどう感じたか、という点が重要。 それも自分一人のみならず、本人が普段接している中で、 なるべく立場の違う人の意見を聞けると、より客観的な内容になります。 久々に会った人の意見も聞けると、より参考になりやすいでしょう」 もちろん、周囲の意見のみならず、本人がどう感じているかを聞くことも大切だ。 「最近どう?」とさりげなく様子をうかがってみたり、 「あまりしゃべらなくなったけど、具合でも悪いの?」など、 話しやすいように水を向けてみると良い。「もの忘れ」など記憶力に影響が出るイメージが強い認知症だが、 “初期症状”として表れる状態はさまざまだ 「本人が自分の変化をどれぐらい自覚しているか確認することも大事。 会話の中から、本人と周囲との感覚のずれがどれくらいあるのかを探ってみて」(柴山さん) ケアマネジャー歴16年の牧野雅美さん(東京都介護支援専門員研究協議会・副理事長)は、 「放置しているうちに、症状は深刻化してしまう」と指摘する。「認知症は、発見が早ければ早いほど、 生活上の工夫や周囲が受け入れる準備をしやすく混乱を軽減できる。 初期の段階では家族の“そうあってほしくない”という思いが現実と向き合うことを難しくする例も少なくありません。 ようやく向き合ったときには、もっと早く行動すべきだったと悔やむことになりかねない。 そうならないためにも、チェックリストを参考に、ちょっとした変化を見逃さず向き合ってもらいたい」  神経内科を専門とする浅野次義さん(浅野生活習慣病予防研究所)は、 認知症が最も発症しやすい年齢として、「65~70歳」を挙げる。「だから60歳を超えたら、なるべく早く気付くためにもチェックが必要。 特に 飲酒量が多い人や、血圧が高い人、メタボ気味の人は要注意。 初期こそ、本人にも自分の変化に対する驚きがあるものですが、 進行してくると開き直り始めたり、 忘れたことも忘れてしまったりする。 だからこそ、早期発見が大事なのです」 情緒面が絡む変化を測る上で難しいのが、 認知症初期兆候としての「症状」なのか、 もともとの性格によるものなのかという見極めだ。 一般的に、加齢とともに理性が薄れ、本来の性格が出てくるという傾向もある。 つまりこれまで理性で保たれていた部分が、 加齢による機能低下とともに徐々に剥がれ、本質が見えてくるというわけだ。 それが認知症の兆しか性格かの見極めは、専門医による診断が必要。 だが、症状によっては、チェック項目のほかにも、具体的な注意点がいくつかある。  例えば普段から料理をよくする人の場合、その完成度が一つの指標になる。「料理は下準備や味付けの調整など細かい工程を積み重ねる作業。 これまでの“加減”が崩れ始めると、完成品に変化が表れやすい。 味付けであれ?と思ったら、料理の過程を一緒に見るだけでも発見があるかもしれません」(柴山さん) また、長めの尺の(TV)番組を見られなくなるのも要注意。 展開についていけず、途中で見るのをやめてしまう傾向もあるという。「テレビを見ながら、“今のってどう思う?”など、ちょこちょこ会話を振ってみて。 するとストーリーをきちんと追っているのか、単に景色として眺めているのかがわかります。 初期の発見で大事なのは、どれだけ意図的に観察できるかです」(同)― ― ― ― 【軽度行動障害(MBI)チェックリスト】 ■物事への意欲や関心 1.家族や友人、家事など、これまで大切にしていたものへの関心が失せてきた2.これまで関心を持っていたことに好奇心を示さなくなった3.自発性や行動性が乏しくなってきた4.モチベーションが低下してきた5.愛情や興味を持ちづらくなってきた6.物事に対し、あまり注意を払わなくなった ■気分や不安の兆候 7.気分が落ち込みがちで、悲しみが増しやすくなった。涙もろくなった8.喜びを表しにくくなった9.将来を悲観しがち10.これまで当たり前だったことに対しても、以前より不安が強く心配しがち11.リラックスできず、動揺したりパニックの兆候があるなど、神経質になりがち物事を楽しめるかどうか、衝動や行動を自分で制御できるか12.嫌なことを言ったり、怒りっぽくなることが増えた13.理不尽に論争的になりがち14.考えなしに行動したり、衝動的になりがち15.性的な制御が利きづらくなり、これまでより妙に積極的になった16.欲求不満を抱えがちで、我慢が利かなくなった17.運転中、今までになく無謀になりがちで、適切な判断をしづらくなった18.頑固になったり、融通が利かなくなりがち19.食べ過ぎたり、決まった料理以外を口にしなくなったり、食事の仕方が変わってきた20.食べ物の味が分からなくなったり、味を楽しめなくなった。食事の量が減った21.これまでになく物をため込みがちになった22.一つのことを繰り返すようになったり、強迫的に反復しがち23.たばこ、酒、ドラッグ、ギャンブル、万引きなどのトラブルが生じた ■社会のルールを守り、節度を保って行動できるか 24.自分の言葉が他者にどう響くか、どうでもよくなってきた25.みんなの前で言わないような、個人的でプライベートなことをあけすけに言うことが増えた26.今まで言ってこなかったような、失礼で粗野なこと、性的なことを言うようになった27.公的な場で、どう発言し振る舞うべきかなど、公正な判断が消失しがち28.見知らぬ人に、やたらと親しげに声をかけたり、行動を邪魔したりすることがある ■強い思い込みや、その根拠となりうる感覚体験29.自分が危険にさらされている、他者が自分を害そうとしているなど、被害妄想が増えた30.他人の気持ちや思いについて、疑り深くなった31.自分の力、富、技能について、現実とは異なる思い込みがある32.そこにいない人や魂の声、あるいは姿を見たり聞いたりしたなどと言うようになった33.そこにいない人、動物、昆虫などを見ているかのように、文句を言ったり振る舞うようになった 以上

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