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日本人なら、ほぼ全員カレーが好きだろうと思うが 日刊SPA!
その例として一つ象徴的なのが、2011年より開催されているインド料理ファンのイベント『Love India』の人気ぶりだ。 インド料理の名店のシェフたちが一堂に会し、ターリーに舌鼓を打ちながら彼らのカレートークが楽しめるというこちらのイベント。ディープな内容ながら1000人限定のチケットはこの数年完売続き。全国からカレーマニアの老若男女が集まっている。 日刊SPA!では、そんな『Love India』の発起人である水野仁輔氏にカレーにかんする気になることを聞いてみた。 まずは、すぐ試したいチョイ足しカレーレシピ。家のカレーが一瞬で美味くなる様々な食材を紹介しよう。 ◆「チョイ足し」には何がよい? 水野氏によれば、SB・ハウス・グリコというカレールウ市場におけるメジャー三社の商品は、味わいの方向性で以下の4つに分かれるという。 1:甘口路線(バーモントカレー、ハピファミ、カレーの王子さま) 2:スパイシー路線(ジャワカレー、ゴールデンカレー) 3:コク路線(熟カレー、とろけるカレー、こくまろカレー) 4:高級路線(ザ・カリー、ディナーカレー、ZEPPIN) 「辛いカレーが当たり前だった時代に、女性や子供へのマーケティングから生まれ爆発的にヒットしたバーモントは、おそらく日本で一番売れたルウです。甘口で小麦粉の量が多いのがウリで、バランスをとる意味でスパイシーなものやピリ辛のものを合わせたいですね。最初に玉ねぎと一緒に唐辛子や鷹の爪を炒めるのがグッド。唐辛子は辛味のイメージが強いですけど、実は香りもすごくいいんです。あとは煮込みの時にタバスコで辛味と酸味をつけると、ルウカレーの特徴でもあるコクの強い、全体的にボンヤリした味が引き締まります」 対照的なのが『ジャワ』などのスパイシー路線のグループだ。 「ジャワはスパイス感が強いので、逆に甘みを加えたいですね。一番ダイレクトなのは砂糖やハチミツ。フルーツのフレーバーを入れたい時はジャム系で、肉との相性で豚肉や鶏肉ならマーマレード、牛肉はブルーベリージャムという感じで使い分けます」
◆「今後、カレーレシピのオープンソース化を進めたい」 “国民食”となっているルウカレーに比べ、多く人にとってスパイスはまだまだ馴染みの薄い未知の存在だ。 「私は、スパイスはこれからハマる人がますます増えると睨んでいます。例えば、四川料理の山椒は10年前の日本人は苦手だったのに、あのビリビリくるシビれが流行って、いまやコンビニのカップ麺でも使われています。同様に、いまインド料理などスパイスの効いた料理が外食産業で広く流通し始めています」 日本人の食体験が拡張してきた中で、スパイスが一般家庭に普及する流れはある意味必然なのかもしれない。だが、レシピによっては2種類のカレーを作るのに17、8種類のスパイスを買わなければならないことも珍しくないため、ややハードルを高く感じる人も多いだろう。
しかもカレー屋の生命線となるスパイスの配合は企業秘密なのが普通だが、『AIR SPICE』では全てグラム単位で公開しているので、気に入ったレシピは自前でスパイスを用意してもよい。 「『あのお店のカレーを再現』的な記事がグルメ雑誌でもありますが、たいてい大事なところは隠しています(笑)。でも僕は囲っても楽しくないというか、スパイスカレーを外食産業で終わらせず、今後はもっとカレーレシピを“オープンソース化”したいんです。 ネットでレシピを公開すると色んなフィードバックもあるし、試しに作って美味しかったらいつかお店にも来てくれるはず。レシピで言語化できないところにこそ、お店の本当の実力があるんです。玉ねぎを10分炒めるか15分炒めるかは極論どっちでもいい話。たとえば、木ベラの回し方で火の入り方も変わるんだから、その木ベラの回し方がシェフの実力、そのお店の味と考えるのが普通なんですよ」 ■水野仁輔(みずの・じんすけ) カレーのスペシャリスト。これまで出版してきたカレー本の数は40冊以上。1999年に出張料理集団「東京カリ~番長」を結成。カレーに特化したコンテンツ創造プロジェクト「カレー計画」で、様々なプロジェクトを立ち上げている。 糸井重里氏から「カレースター」の肩書をもらい、現在、ほぼ日と「カレーの学校」で授業を行っている。このたび、本格カレーが作れるスパイスセットを届けるサービス、「AIR SPICE」をスタートした。http://www.airspice.jp/ <取材・文/伊藤綾> お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2017.07.29 22:36:41
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