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記事 人類史 母はネアンデルタール人、父はデニソワ人 DNA分析で初確認

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​​​​​​記事 人類史 母はネアンデルタール人、父はデニソワ人 ​DNA分析で初確認 ​ 2018/08/23 15:15 【AFP=時事】デニー(Denny)は、初期人類の異種交配で生まれた「婚外子」だった。  22日の英科学誌ネイチャー(Nature)に掲載された研究論文によると、デニーの母親は初期人類ネアンデルタール(Neanderthal)人で、父親はデニソワ(Denisova)人だったという。 デニソワ人は5万年前にユーラシア(Eurasia)大陸に生息していた、ネアンデルタール人とは別種の初期人類だ。  英オックスフォード大学(Oxford University)の科学者らが名付けた愛称で呼ばれているこの少女は、正式名が「デニソワ11(Denisova 11)」で、死亡時の年齢が少なくとも13歳、死因は不明とされている。  論文の筆頭執筆者で、独マックス・プランク進化人類学研究所(Max Planck Institute for Evolutionary Anthropology)の研究者のビビアン・スロン(Vivian Slon)氏は「異なるヒト族、初期人類のグループ間での異種交配を示す証拠は、これまでにも存在した」と説明する。「だが、直接の第1世代の子孫を発見したのは、今回の研究が初めてだ」  デニーの驚くべき血筋は、ロシアの考古学者チームが2012年に露シベリア(Siberia)のアルタイ山脈(Altai Mountains)にあるデニソワ洞穴(Denisova Cave)で発掘した骨片によって明らかになった。  この骨のDNA分析結果は疑う余地がなかった。染色体がネアンデルタール人とデニソワ人の半分ずつの組み合わせになっていたからだ。これら初期人類の異なる2種は40万年前から50万年前までの間に分岐した。  論文の主執筆者で、マックス・プランク研究所のスバンテ・ペーボ(Svante Paabo)教授は「分析に不手際があったに違いないと当初は考えた」と話す。同教授は10年前、今回と同じ洞穴遺跡でデニソワ人を初めて発見した。  4万年前以前のネアンデルタール人、デニソワ人、現生人類ホモ・サピエンス (Homo sapiens)などの初期のヒト属のゲノム(全遺伝情報)については、解析が完了したものは全世界で二十数例に満たず、異種交配の第1世代の個体に巡り合う確率はゼロに近いほど低いように思われた。  あるいは、そうではないのかもしれない。 ■異種間の交わり 「ネアンデルタール人とデニソワ人の混血個体を発見したというこの事実は、これまで考えられていたよりはるかに頻繁に異種交配が行われていたことを示唆している」と、スロン氏は指摘した。  後期更新世のユーラシア大陸において異種間の交わりがそれほど珍しいことではなかった可能性があることの最も有力な証拠は、現生人類の遺伝子の中にある。    全世界のアフリカ系以外の現世人類は現在、ネアンデルタール人に由来するDNAを約2%保有していることが、過去の研究で明らかになっている。  デニソワ人の名残もまた広範囲に及んでいるが、分布はネアンデルタール人ほど均一ではない。 「デニソワ人のDNAの痕跡は、アジア全域とアメリカ先住民の間では全体の1%弱含まれていることが明らかになっている」と、ペーボ教授は話す。また、オーストラリアの先住民アボリジニと南太平洋のパプアニューギニアの人々は約5%保有しているという。  欧州の中部および西部にわたって広く分布し繁栄していたネアンデルタール人がなぜ約4万年前に姿を消したかという疑問をめぐっては、白熱した議論が繰り広げられている。総合的に見ると、今回明らかになった事実はこの疑問に対する斬新な答えを裏付けるものになっている。  これまで、ネアンデルタール人の謎の絶滅をめぐっては、病気、気候変動、現生人類ホモ・サピエンスによる集団虐殺やこれらのいずれかの組み合わせなどが原因として挙げられてきた。  だが、アフリカから集団移動でやって来た現生人類が、ネアンデルタール人とおそらくデニソワ人もを、攻撃でなく愛情で制圧したとすればどうだろうか。 「これらの初期人類集団に関しては、単に現生人類集団に吸収されたにすぎない可能性があるという説明もできる」と、ペーボ教授は述べた。「現生人類は数で勝っていたため、他のヒト種が合併吸収されたのかもしれない」  ネアンデルタール人は主に欧州に、デニソワ人はアジア中部と東部にそれぞれ定住していたが、もしそうでなかったら2種間でさらに多くの混血が起きていたかもしれないと、研究チームは推測している。​​​​​​【翻訳編集】AFPBB News

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