2019/09/27(金)09:19
記事 小泉進次郎環境大臣のsexyの語法は正しいか?
小泉進次郎環境大臣のsexyの語法は正しいか?:
なぜ世界のメディアが誤解したか?米山明日香のブログ
livedoor blog
2019年09月23日
この著者はDrを名乗っていて英語学あたりでのPHD取得者らしい
「大学で英語音声学、英語教育、通訳、英語プレゼンテーションスキルなどを教えています。」
とも言っている
平たく言うと「英語屋さん」だ(笑)
英語の専門家の立場から進次郎氏の英語発言を添削指導しているのであるが(笑)
専門家なので、やたらに批判的である
その批判は英語に関しては間違ってはいないのだが
日本の政治家が国際舞台でここまでしゃべった
と言う事実を私は評価してあげたい
不断はアンチ進次郎なのだが笑)
私も進次郎氏の英語発言は
○ 国連という場には口語的すぎる
○ 説明不足・言葉足らず
○ 語法的に一部おかしいところがある
等と以前の記事でケチをつけたが(笑)
カタカナ英語などとは次元が違う
流暢な英語であることは確かで、英語をしゃべり慣れている
この点では、正直、進次郎氏を見直した
ただ国連などの正式の国際会議の場では
もっと格調あるロジカルな英語が望ましいと思う
問題は、福島汚染水問題と同様に発言の内容にあるのだが
一部SNSやメディアでは「小泉進次郎環境大臣が気候変動問題をセクシーに扱うべき」として、話題をさらっています。
いくつかのメディアやSNSでは、誤解があったと記事を書き換えているところもあるようですので、誤解も減っているようです。(誤解なく伝えているメディアももちろんあります)ではなぜ上記のように発言に誤解があったのでしょうか。
なぜ誤解されたのでしょうか。
1. sexyが問題というよりは
そもそもsexyには「性的な、セクシーな」という意味のほかに、
口語でexcitingとかappealingといった意味で使われることもあります。例えば、オックスフォード米語辞典(2nd edition)にある例としては、I've climbed most of the really sexy west coast mountains.
(試訳:本当に魅力的な西海岸のほぼすべての山に登ったことはあります)
のように使われます。またロングマン現代英英辞典(5th edition)の例には、
one of the sexiest companies in Seattle
(試訳:シアトルでもっとも話題の会社の一つ)
があります。このような意味もあるので、小泉氏も「魅力的な」といった意味で使ったのでしょう。そもそも文脈からすると、女性の言葉の引用のようです。
(2.の英文をご覧ください。sheと言っています)
(加筆:twitterでご親切な方が、
その女性とはChristiana Figueresで、
Christiana氏は"Let's make green sexy"の提唱者であると教えてくださいました。
つまりその言葉を引用してsexyといったわけです。)
以下がそのビデオです。
さらに以下のビデオを見ると、
Christiana Figueresさんが隣にいるので、
指をさしてsheと言っていますが、
sheではなく、sheという代名詞よりはDr. Figueres
(ProfessorならProfessorの方が好ましい)
の方が誤解を与えません。大臣として重要なのは、話し手である二人(小泉大臣とFigueres氏の二人)
あるいはその場にいた人のみがわかっていればよいということではなく、
それが記事になった際に、誤解を与えないようにするかに
気を配ることではないかと個人的には思っています。
同意
したがって、現在、メディアやSNSなどで、
「性的な」「セクシーな」と小泉氏が発言したことに注目するのは
少し問題の論点がずれています。
これにはあたしは反対
この著者は
「GREEEN(反環境破壊活動)をSEXYに」
という意見が活発にあることを知らないで
こう言う杓子定規なことを述べている
隣席にその当人の女性が座っているので
進次郎氏は彼女を持ち上げる意味合いもあって
あえてSEXYを使用したのだ
若者としての功名心もあっただろうが
生き生きとして積極的な発電で VERY GOOD !である
2. 実際の小泉大臣の使用例
実際に小泉氏が使った文脈は以下の通りです。
音声から書き起こしたので、少し違うところもあるかもしれませんが、
ご容赦ください。
誤解をしたメディアの一部は、
5文目のOn tackling such~からしか
記事にしていないものも午後に見たところ散見されました。On tackling on this issue, everything gonna be fun.
And she added also 'sexy.'
I totally agree with that.
In politics there are so many issues, sometimes boring.
On tackling such a big-scale issue like climate change,
it gonna be fun, it gonna be cool, it gonna be sexy, too.(試訳:このような問題を解決するとき、すべては面白くないといけません。
彼女は「セクシー」にねとも言いました。
政治においてはたくさんの問題がありますが、
時々それは退屈なものもあります。
気候変動のような大きな問題を解決するにあたって、
その問題は面白く、かっこよく、sexyでなければなりません)※On tacklingではなく、In tacklingが文脈上、正しいでしょう。
On~ingは「~するとすぐに」、
In ~ingは「~するとき、~する(した)際に」。
※on this issueではなく、onは不要。他動詞のため。
※it gonna beではなく、it's gonna beが正しい。では、なぜ「魅力的な」と小泉氏が言いたかったのが、誤解を招いて、
世界のメディアの一部が話題にしたかというと、
小泉氏のitがclimate changeを指してしまっている(と考えられる)ので
(本来はsolution of climate changeと言いたかったのでしょうが)、
「気候変動はsexyであるべきだ」と誤解されてしまったのです。
言いたかったのは、
「気候変動問題解決をsexy(=appealing)にすべきだ」ということでしょう。
それでも前後関係や背景などがわからない人にとっては???なのです。また、そもそもitが何を指しているのかも不明なのも誤解された要因でしょう。
その結果、言葉が一部でひとり歩きしてしまったというわけです。またsexyを「引用」としたかったのであれば、
英語圏では両手の人差し指と中指で " "というジェスチャーをするのです。
しかしそれがなかったこと、
あるいはso-calledといった語がなかったことから誤解されてしまったのです。
あるいは、sexyの後に、
as Dr.(ProfessorならProfessorのが好ましい)Figueres called
のように言えばよかったのです。今回の問題はsexyという語の誤用云々というよりも、
世界の一部のメディアから内容が誤解されてしまったことが問題なのです。小泉氏が言いたいことは、おそらくIn politics, there are so many issues, sometimes boring. In tackling such a big-scale issue such as climate change, what we can do is to tackle the issues properly. However, to solve the environment issues together is sometimes fun, cool and appealing or so-called "sexy" , so we should solve our issues together.
(試訳:政治においてたくさんの問題があり、時々それは退屈です。気候変動のような大きな問題を解決するにあたり、私たちができることはその問題を適切に解決するということです。しかし、環境問題をともに解決することは、時として楽しく、かっこよく、魅力的なこと、言い換えればsexyでもあるので、我々の問題をともに解決しましょう)ではなかったかと推察します。ただ、なんせ言葉が足りないので、補うのも難しいのです。
つまり、「言葉を補うのが難しい」ということは、
「言いたいことがよくわからない」という結論が導かれてしまいます。
ここが今回の問題なのです。確かに言葉が足りないのは進次郎氏の欠点
ロジカルというよりはポエム(笑)
感覚的な人なのだと思う
3. 今後の課題
しかし、今回の問題は
言葉の選択が誤解を与えたか否かというだけの問題ではありません。
むしろ小泉大臣の大臣としての危うさと脆さを露見したことに
注目すべきではないかと思うのです。小泉大臣は今回、映像で(0’59~)
「英語は絶対話せなきゃだめだと思います。
通訳がいるってだけで、もうあの場では勝負にならない。
国連の中での存在感を発揮していくということが見せられたと思います」
と述べています。
確かに「英語ができる大臣」は"sexy"(「魅力的」という意味で)です。
英語が出来ると言うことは
いつも私が書いていることだが
「複数の文化を持っている」と言うことだ
人間の中身が、知識教養が、パラダイムが広がる
「単に外国語がしゃべれる」と言うだけのことでは無い
それがこの英語の専門家にはわからないのか?
(ただし、個人的にはsexyという語をこのように使うのは好みません。
なぜなら、もともとは「性的な意味で魅力的」という意味なわけで、
アメリカでは口語で使いますが、
イギリス人はあまり使いません。
このような差があるだけでも
国際舞台での使用は誤解を与える危険性があるので避けたいところです)
だからそれは違うって(笑)
GREEN + SEXY は、環境の世界では
半ば決まり文句 PET PHRASE なのだ
SEXYを使う方がインパクトがあるし
この英語屋さんが知らないだけで
しかし、口語過ぎる英語、誤解されるような英語を話すならば、
やはりプロの通訳者を使うべきではないかと個人的には思っています。
私自身も通訳者をしていたことがありますが(と言っても駆け出しです)、
通訳者は(特に大臣を担当する通訳者は)相当な訓練を受けているので、
インフォーマルな場では通訳者がいなくても問題はありませんが、
フォーマルな場ではぜひプロの通訳者を使ってほしいと思います。学生であれば、間違ってもよいからどんどん話しなさいというところではありますが、小泉氏は「大臣」なのです。
したがって、「国連というフォーマルな場で英語を話せば勝負できる」
とか「勝ちか負けか」とかという問題ではなく、
母国語(母語)でもよいので、言語のプロである通訳者に訳してもらう、
あるいは、誤解されないような英語力を身に着けることが重要ではないかと思います。つまり、国の代表として行っている場なので、
自分の勝負の場ではないですし、
個人的に勝負をかける場ではないということを
心に留めておく必要があるのではないかと個人的には思っています。やはり大臣なのですから、フォーマルな場で
(少なくともテレビクルーが入っているような場で)
gonnaとかlikeとかといった口語的すぎる言葉のチョイスは、
避けるべきだと考えます。追記:もちろんどのように気候変動問題に取り組むかという内容が重要ですが。
「FORMALな舞台ではFORMALな英語で」
この点は同意する
ただ
翻訳者を経ると
SPEECHの鮮度と迫力が落ちる
そう言う点はこの英語屋さんにはわからないのだ(笑)