Alfard

　『愛』
　愛って何？
　愛することってどんな事？
　愛されるってどんな事？

　ふと思ってしまう。
　好きな人の前では、脳内物質のドーパミンが放出されて
快感を感じる。
　脳の奥深くにある扁桃体が、好きだと判断すると、
ドーパミンが放出されて、視床下部から快感が生まれる。

　そんな生化学的な反応が愛の根源。
　だから、好きになるとどうしようもない。感情が嫌いだと
思っても、その奥にある扁桃体が、反応してしまえば、
好きで好きで堪らなくなる。

　では、どうして扁桃体が、好きだと決めるのだろうか？

　それは、母親の愛だと云う。無条件に愛される事の喜びから
生まれる親子の絆、それが愛の原点だそうな。
その後、幼児期に受けた愛が、扁桃体の好き嫌いの判断の
元になっているそうだ。

　果たしてそうなのだろうかと思うが、そうらしい。
より愛された人が、より愛することが出来る。

　そう思ってみると、今の世の中、子供の虐待の話を
よく聞く、戦争で親を失った子供達、恐怖にさらされた
子供達。
　親に愛されない子供達、愛されることを知らない子供達、
そういった不幸な子供達が、新しい世代の親となる。

　博愛、自己犠牲といった崇高な愛に支えられてきた
今の人間の世界、それを支えた人間の進歩。

　忘れてはいけないことではないだろうか？
　いや、それだけではない。それを継承して行く義務が
僕らの世代にもある。それを守り、慈しむ義務がある。
　僕らの世代は今の時代の中枢にいる。これまでのように、
世間を批判する、前の世代の所為にすることは、もう
出来ないことを自覚しないといけない。