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うたたねの詩

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2013/06/29
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カテゴリ:今日のシメイ
※この物語はフィクションです。



184年 中国大陸。
国は荒れ、民は疲弊している。そしてついに大賢良師・張角により、黄巾の乱が勃発。
大地が揺れ、時代の波がうねり始めていた。


ここにいる一人の少年も例外なくその波に飲み込まれていく。
「父ちゃん、がんばってきてね」
「いいか子明、母ちゃんを頼むぞ」
「うん、わかった」










       「今日のシメイ」




時は過ぎ、黄巾の乱は各地で鎮圧されていった。
のちに“江東の虎”と呼ばれる孫堅もまたその一人として活躍。
その孫堅軍の下、少年の父親も戦場に身を置いていた。
「よーし、今日もやるぞ」
「力みすぎてやられるなよ」


状況が悪くなるにつれ、黄巾党もまた必死になってくる。
「黄巾まさに立つべし!」
「うるせぇんだよ、邪教徒どもが」
「邪魔をするなっ」
刃が交じり合う、命を賭けた戦い。
素早い太刀筋が相手を捉える。
「こんなとこでやられ・・・?」
何気にさすった手が紅く染まっている。
「おい、大丈夫か?」
その言葉には応えず反撃に出て仕留めるも、
自分の体を支える力さえなく、その場に倒れた
「おい!」
「あ、あぁ・・・。ちっと、やべぇ」
「しゃべんな、歩けるか」
安全なところまで退くと、二人して地面に倒れ込む。
「ぐわっ・・・・・まじ、やば」
「わりぃな、すぐ処置する」
「いや、それより・・・・・聴いてくれ」
そうして思いを伝えると、静かに目を閉じた。




それから幾日。
いつものように子明が遊んでいると、
「あれ?義兄(にい)ちゃん?」
見慣れた姿を追いかけ、声をかけると、
振り返った姿は子明の姉の夫だった。
「子明か、お前にも話がある。来い」

家に帰ると、母も姉も覚悟を握り締めた顔をしている。
「姉ちゃんも帰ってきてたのか」
「うん・・・」
重苦しい雰囲気が言葉を塞ぐ。
そして言葉が告げられる・・・。
「     とう、ちゃん、が、し、んだ・・・・?」
頭の中で文字が収まることなく、回り続ける。
そして、じわじわと感情が漏れ出してきた。

今の子明にはただ泣くことしかできなかった・・・。





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Last updated  2013/06/30 12:14:07 AM
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