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うたたねの詩

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2017/12/10
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カテゴリ:BLACKLIGHT
思いもよらない展開に誰も口を開くことができなかったが、
「このような結論に至った理由をお聞かせ願いたい」
「イグリス軍は我が軍の5倍を超える兵力をもって攻め寄せてきています。
 これは今までとは桁違いの脅威となっています」
さらに説明は続き、戦場となるのはゼリクトアである限り、守り切ることができたとしても、
その傷跡は甚大なものとなるのは目に見えている。その復興もまた時間と労力を要する。
「そのときは、フューリッドからも最大限援助いたします」
だが、その言葉は返す刀となる。
「貴国もバフタールから攻め込まれているではありませんか!
 そのような状態で他国にも援助できるというのですか!?」
それに、「ここで防げなければもう後がないこともお分かりのはず」と付け加える。
「まだ始まってもないのに、降らねばならぬのか」
「国の体裁よりも何よりは土地に住む民を最優先にするべきだと思っております。
 これは父王様の御遺志にも適っているはずです」
父王の話を持ち出され、面々はやや伏目がちになる。
「ここで戦いを終わらせれば、バフタールとも自動的に停戦状態にもっていくことができる」
そうすれば、土地も蹂躙されることなくすべてを守り切れるだろう、と。
「戦いが始まってしまえば、この話はなかったことになってしまいます。
 今しかありません。これは最初で最後の機会だと存じております」
「この借りをどうやって返すというのですか?」
ゼリクトアは改めて頭を下げると、思いの丈を口にする。
「我々と同じように土地と民を保証してもらえるよう、イグリスに嘆願します」
フューリッドは「逆の立場であれば同じことをしていた、のかもしれないな」と力なくうなだれる。
そして、イグリス領へと送られる途中、待ち構えている大兵団を目の当たりにする。
この数ではどうすることもできなかったかもしれないと身震いする。
中に通され、歓迎の言葉をかけられる。
「私はイグリス軍事総長・シュガイです。この度はよく参られました」
「わたくしは二ルドと申します。密約に応えるべく、フューリッド援軍を捕らえて参りました」
シュガイはフューリッドの面々を眺めると満足そうに、
「お疲れ様でした。正式に約定をしたためますのでしばしお待ちください」
そう言うと、顔の向きを変え、「フューリッドを率いているのはどなたですか?」
わたしです、と一人の男が名乗り出る。





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Last updated  2017/12/10 12:00:51 AM
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