2005/06/08(水)23:04
天使が酔ひて管を巻く【2】
昨日の日記『天使が酔ひて管を巻く【1】』へのコメントでー千夜ー様からスコッチの話が出たので、今日はこのお酒の話で...
※ちなみにタイトルの「天使が酔ひて~」は、横溝正史氏の超有名ミステリーのタイトルのもじりですw。
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■ウィスキー
これも定番のお酒ですね。
『ウィスキー』という呼び名の語源は錬金術の「アクアウィタエ(命の水)」、英語に訳せば、「ヴァイタルウォーター」ってとこでしょうか?
コミック「からくりサーカス」の不死薬と同じ名ですが、錬金術師が蒸留器で作ったということでも同じなのです。
この錬金術師はワインを蒸留してブランデーを造ったらしいのですが、元はブランデーの呼び名だったんですね。
それがゲール語訳で「ウシュクベーハー」、そいつが変化して「ウスケベク」、さらに変化して「ウィスキー」...
「カンボジア」が「カボチャ」の語源というのよりは判り易い...のかなw?
この「アクアウィタエ」は「ウィスキー」だけの語源ではなく、ブランデーのフランスでの呼び名「オードヴィー」やドイツの芋焼酎「アクアヴィット」の語源でもあります。
ウィスキーを大きく分類すると、「スコッチ」「アメリカン」「カナディアン」「アイリッシュ」「ジャパニーズ」ってとこですか。
最も飲み慣れている「ジャパニーズウィスキー」ですが、万人向けのこれといった特徴のないマイルドさが特徴です。
輸入品でないので、関税のかからない分、値段が安いということも魅力ですかね?
「スコッチ」はイギリスはスコットランドのウィスキーで、泥炭(ピート)で燻したスモーキーフレーバーが特徴です。
大麦麦芽で造られるキツ目の「モルトウィスキー」と、小麦やコーンで造られるマイルドな「グレーンウィスキー」の2種類をブレンドして造られます。
私の一番好きなバーボンに代表される「アメリカンウィスキー」は、内側を焼いたオーク樽で熟成され、独特の香りがつきます。
あとの2種類、カナディアンとアイリッシュは語れるほど飲んでないのでパスしますw。
面白いのは、スコッチの話。
もともとスコッチは、スコットランドの農家で造られる無色透明の麦焼酎でした。
16~7世紀(だったと思う)、この麦焼酎にイングランド政府が高い税金をかけました。
農民のサイドビジネス、庶民の嗜好品に高い税金などかけられては堪らないと、農夫たちはシェリーの空き樽に焼酎を詰めて山の洞穴に隠します。
どうせ山に隠すんだから山の中で造っちゃえと、麦芽を燻すのに山で採れるピート(泥炭 燃える土 スマトラ島の山火事の原因になっているほどよく燃える)を使って麦焼酎をせっせと造っては、樽へ詰めて隠します。
完全に密造酒化してしまったんですね。
で、ほとぼりが冷めた頃、樽を開けて一同ビックリ。
無色透明のはずの麦焼酎が、ピート香漂う琥珀色のとろりとした液体に...しかも味も雑味が取れてマイルドに。
いわゆる「樽熟成」が起こっていたのです。
全ては税金との戦いの結果なのですね。
まぁ、昔も今もお酒と税金は切っても切れない仲ですからね。
不当な税金をかけられている発泡酒も、樽に詰めて山か海にでも隠しておけば...当然不味くて飲めなくなります(爆)。
余談ですが...
樽で寝かせている間に木の継ぎ目などから酒が蒸発して、量が減ってしまいます。
その減った分を「天使の分け前」といいます。
あぁ、ろまんちっく...
高校生時分、親父のオールドパーを毎晩少しずつ盗み酒していて、遂に親父が減り方が早いことに気づいたとき、
あ、それは『天使の分け前』と言うんだよ
と教えてあげましたが、通じませんでしたw。
ロマンのない親ですわ。
<私のオススメウィスキー>
ロイヤルハウスホールド(スコッチ)
B&Wの特別仕様。
英国王室御用達のスコッチ。
普通、ウィスキーは琥珀色と表現されますが、このスコッチは例えるなら金色!
緑の瓶に、全く装飾のないラベルがかえって高級感を醸しだしています。
ブラントン・ゴールド(バーボン)
ブランデー感覚のバーボン...高いです!
年間製造数5000本、12000円(昔は20000円くらいした!)くらいしますが、ワインみたいに一気飲みするものでもないですしね。
たまにはいいかな?