アメリカで、医者をする。

2005/07/15(金)09:29

この病院は古い。

はっきり言ってものすごーく古い上に、有名だ。 毎日何気なく使っているカンファレンスルームに冠されている名前が、「え? あの、赤いぶ厚い教科書の、あの人ですか?」なんてことは日常茶飯事。 ある日の夕方。 UROの教授っぽい人が、外病院のフィルムをもってぶらり、とabdへ。 「これ、ちょっと意見を聞かせて?」    つっても、この時間じゃあ居残り当番のレジデント(でも4年生だからそれなりに使える学年)と、仕事が終わらなかった外人フェロー(普通のせんせ)のぐらいしか居ません。  それでも、教授はちゃんとコンサルトをしてくれます。 「この人ねぇ、CTの前に、いきなりアンギオされちゃったんだよねぇ」 「は?」  (日本ではRCCへのアンギオは結構メジャー。彼の言いっぷりだとアメリカでは廃れてきているらしい。しかし、CTよりも前にアンギオっていうのは、やっぱりちょっと変わっているかも。) 「ねえ。このRCCの鑑別のためのアンギオを始めてやった施設って、何処だか知ってる?」 「存じ上げません」 「ここ。なんだよー。まだ僕がレジデントの頃だった… あの時の放射線科の教授がこの手技を確立させたんだよ」  ここから先は、若干年配の方特有の、年号を交えた比較的長い話が始まります。    が。  ちょっと感動しちゃった。  不覚。

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