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突然死

本当に、悪夢は突然、何の予期もせず訪れました。



朝、姉の叫び声で目を覚ましました。



『かなちゃん!かなちゃん!

 赤ちゃんの顔色がおかしい!!』



と。

その声に飛び起き、とにかく姉と赤ちゃんの元へかけよりました。





その目に飛び込んできたものは・・



とにかく、信じられませんでした。



真っ青な、血の気の引いた顔・・

紫色になった唇・・



脈をとる必要もない状況でした。

というか、完全に生が抜けてしまっており、

脈を触る勇気も出ないほどでした。



『なんで??どうして??』



私は、一生懸命赤ちゃんの顔や頭を触り、

なぜか温めようとしました。

息をしていないことはすぐにわかりました。

でも、今ならまだ、温めたら生き返るんじゃないか?

と。



とにかく、なんでなんでなんで・・・?が、頭の中で

ぐるぐるぐるぐる・・・



意味がわからない。



だって、数時間前、おっぱい飲んで、機嫌も良く、

満足そうに眠ったよね??



それがどうして、今目の前にいる赤ちゃんは、

息をしていなくて、冷たくなっているの????



どうして、どうして・・・・・



姉はもう、顔面蒼白。



『お父さん・・・お父さん呼んで!!』



と。



後になって聞きましたが、保育士である姉。

今まで何人も赤ちゃんを見てきており、

朝、赤ちゃんの顔を見たときに、

完全に死んでいると思ったそうです。



でも、姉も私もそれを認められなくて、

まだ生きているとして、その時は対応していました。



私は、二階から一階にいる両親に叫びました。



『お父さんお母さん、今すぐきて!

 赤ちゃんの顔色がおかしい!!』



と。

私も姉も、顔色がおかしい、という表現しかできませんでした。

だって、死んでいるなんて、信じられないし、

両親にそんな現実突きつけたくなかった。





両親は飛んで二階に上がってきました。



父は赤ちゃんの顔を見ると、



『あらら・・どうしたんだ、急に?』



父は、この時死んでいるとは思わなかったそうです。



後ろから母が、何も言わずに覗き込んでいます。

おそらく、母は見てすぐにわかったと思います。

もう、息をしていないということを・・



姉がまた、すがるように父に叫びます。



『お父さん、救急車呼んで!!』



と。



あわてて父は一階に降り、救急車を呼びます。



私は、ひたすら赤ちゃんを温めていました。



姉は、冷たくなった赤ちゃんを抱え、



『大丈夫・・・・大丈夫・・・・大丈夫・・・』



と、自分と赤ちゃんに言い聞かせるように、

ただ、その言葉を繰り返していました。




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