2008/08/17(日)08:26
<自閉症児の療育>-衣服の前後をまちがえないためには-
一毎日の生活習慣ー
-衣服の前後をまちがえないためには-
子供たちの着替えの様子を見ていると、トレーナーや Tシャツなどの前後を気にせず、目の前におかれた状態のまま着ようとする子がいます。また、着替えの前後が回転してしまう子供もよく見られます。
こうした衣服の前後をまちがえてしまう要因としては、認知面の未発達や正しい手順で着ることが身についていないことなどが考えられます。
また、正しい装着感が身についていないことも、まちがえてしまう要因となります。
◇前後が分かりやすい服を選びましょう
認知面に関しては、最近は、デザインが重視されるあまりに、前後が分かりにくいものが少なくありません。Tシャツは、胸に絵柄がプリントされたものもありますし、背中に絵柄のプリントさるたものもありますので、絵柄を目印に着替えさせても、前後の判断は難しくなります。
また、スパッツなどは、大人でも前後の判断が難しいといえます。
このように、子供たちの着る服も様々ですので、衣服の前後を教えるという課題にとりくむ場合は、子供の認知に合わせて服を選ぶことから始めましょう。
例えば、衣服の前後への意識が身につくまでは、背中に絵柄のプリントされた服で統一したり、チャックのついたズボンを用意すると良いでしょう。
また、上着の場合、えりぐり(頭を入れる部分)がきついと、着替えている途中に上着が回転してしまい、前後が反対になることもありますので、えりぐりの伸縮性なども配慮しておきましょう。
◇前後が分かりやすいように目印をつけてみましょう
衣服の前後を教える際のアイデアとして、前後の目印を服に縫いつけておく方法があります。目印を縫いつける位置としては、背面の裏をおすすめします。
この位置に縫いつけると着てしまえば、目印が見えなくなりますので、よそ行きの服であっても抵抗なく、縫いつけることができますし、年齢が高くなっても違和感なく縫いつけておくことができます。
ですから、どの服にも同じ位置に目印をつけておくことができますから、子供にとってはとても分かりやすくなります。
また、目印は、始めのうちは、はっきりと分かる大きさにし、子供が好むキャラクター等を利用すると良いでしょう。
そして、次第に目印を小さいものに変えていきましょう。
外出先で着替えることがある場合は、ネームタグを目印にしておくと持ち物の管理にも役立ちます。
◇まちがえて着ていた場合は、すぐに正しく着替えさせましょう。
靴下や靴と同様に、まちがえている状態に気が付かないまま生活している時間が長ければ長いほど、正しい装着感は身につきにくくなります。
気がついたら、すぐに正しく着替えさせましょう。
なお、子供たちの中には、衣服の表裏をまちがえてしまう場合もあります。
この場合の多くは、脱いだ際に表裏を正しく直しておかないことが要因です。
つまり、衣服を脱いだ際に、表裏を正しく直す習慣をつけておくと、表裏をまちがえることは少なくなります。
ポイント
衣服の前後をまちがえてしまう場合には、子供の認知面の発達に応じて、服にネームタグなどの目印をつけるようにしてみましょう。
また、着替えの手順が一定になるように心がけ、着替える前に前後をしっかりと認知させましょう。
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暫くぶりの更新となりました。
尚、この生活習慣はシリーズになっていて、カタゴリーの<武蔵野東学園関連>でバックナンバーも見れますので、育児の手引きにして頂ければ幸いです。
次は、-ボタン・スナップ・ファスナーをうまくとめるには- です。