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2018.11.15
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カテゴリ:アット・ランダム
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ダウン症児は「不幸な子ども」なのか? 

出生前診断は「不良な子孫の出生を防止する」優生思想と背中合わせ




最近の報道で、

旧優生保護法によって強制的に不妊手術を受けた人が、

国家賠償訴訟を起こしていることが伝えられています。


この問題に対しては、障害者の人権に関心を持つ人たちから、

20年も前から抗議の声が上げられていました。


今になって広く報道されているのは、

問題が訴訟という形に発展したからです。



旧優生保護法のもと約1万6500人に強制不妊手術


1948年に制定された優生保護法は、

主に二つの特徴がありました。

一つは、条件付きで人工妊娠中絶を認めたことです。

戦後の日本は、

満州国の崩壊や東南アジアからの軍人の引き揚げによって、

爆発的に人口が増加していました。


これを抑制する手段として、人工妊娠中絶が解禁されたのです。

その当時、中絶が合法化された国は世界的にまだ少なかったため、

日本は「中絶大国」との汚名を浴びせられましたが、

これは昔の話です。


そしてもう一つの特徴が、

「優生上の見地から不良な子孫の出生を防止すること」を目的に、

精神疾患の人や知的障害者、

遺伝性疾患がある人に対する強制不妊手術が法に定められたことです。


この法律が廃止になったのは96年です。

つい最近のことです。

この法律によって、

およそ84万5000件の不妊手術が行われました。


そしてそのうちの約1万6500人が、

本人の同意を得ない強制手術だったとされています。


​​​ナチスの蛮行後、世界は優生思想との決別へ向かったが…​​​

優生思想とは元々、

人の遺伝構造を改良することで人類の進歩を促そうという思想です。

平たく言えば、優秀な人間をどんどん増やしていくという考え方です。

これを「積極的優生思想」と言いますが、

現実にはそういうことはできません。

そこで、代わって出てきた考え方が、「消極的優生思想」です。

これは、「劣った人」を少なくしていこうという考え方です。

劣った人にカッコを付けたのは、もちろん偏見に基づいているからです。

イギリスで生まれた優生思想は、海を渡り、戦前のアメリカで発展します。

当時のアメリカは、欧州から移民を大量に受け入れていました。

アメリカは、「劣った人」が国内で増えることを抑制するため、

移民には家系図を作って「劣った人」をあぶり出しました。

そして、その「劣った人」に対して不妊手術を行いました。

アメリカの「消極的優生思想」は、ヨーロッパ大陸に再上陸します。

そして最悪の形で広がります。ナチスドイツの思想です。

ナチスは精神障害者や知的障害者を隔離し、拘束し、殺害しますが、

やがてそれは、

ユダヤ人を丸ごと虐殺するという人類史上最悪の悲劇につながります。


 戦後時間を経て、ナチスの蛮行が徐々に明らかになると、

世界は優生思想と少しずつ決別する方向へと向かいます。


しかし、

優生思想は完全に消えたわけではありませんでした。


「不良な子孫の出生を防止」するために、

ターゲットが、大人から胎児へと変わっていったのです。



兵庫で展開された「不幸な子どもの生まれない運動」

68年、日本に羊水検査が導入されました。

羊水を採取し、胎児の染色体分析をする検査です。

判別する対象は、ダウン症です。


そして70年前後には、

兵庫県などで「不幸な子どもの生まれない運動」が展開され、

羊水検査に助成がおこなわれました。


この事実は、生まれる前にダウン症を診断する出生前診断には、

優生思想が背中合わせとなっていることを示しています。


なお、「不幸な子どもの生まれない運動」は、

障害者団体の強い抗議にあって頓挫しました。​


 なぜ、ダウン症が昔も今も、

出生前診断の標的になるのでしょうか? 


日本ダウン症協会の玉井邦夫代表理事は、

それは「彼らが立派に生きるから」と答えています。


確かにそうでしょう。

また、こうも言えるでしょう。

「ダウン症なら染色体分析によって出生前診断が可能だから、

検査の対象になるのだ」

と。


つまり、

「ダウン症の子たちを社会の中でどう育てるか」

を議論する前に、

「ダウン症なら診断して中絶できるから、出生前診断の対象にしよう」

という逆立ちした考え方が、そこにあります。




思わぬ発見から、ダウン症の胎児診断が可能に


ダウン症とは異なりますが、英国のスコットランドでは長年、

無脳症や二分脊椎の赤ちゃんが異常に多く生まれてくることに、

医師たちが頭を悩ませていました。

二分脊椎(脊髄髄膜りゅう)は、小児外科医が手術しても、

その後の回復が大変悪く、

「選択的治療中止」が英国で議論された病気です。


生まれてきた赤ちゃんを手術しないで見殺しにするのは、

さすがに倫理的に問題が大きいため、

英国では

「何とか出生前に診断をつけたい」

と考えられるようになりました。


まだ、超音波による検査が十分に発達していなかった頃です。​


 すると、ある時、

羊水を採取してAFP(α-胎児性たんぱく)を測定してみると、

無脳症や二分脊椎の胎児では

AFP値が上昇していることが見いだされました。


やがてデータが蓄積し、羊水を採取しなくても、

無脳症や二分脊椎の場合は、

妊婦から採血して調べられる

血清AFPの値も高いことが分かってきました。


 妊婦の血液検査で二分脊椎の予測がつくようになった時、

思わぬことが起こりました。


ダウン症の赤ちゃんを身ごもった妊婦も、血清AFPが高かったのです。

これが、「母体血清マーカー診断」の始まりです。

今から40年以上も前のことです。


妊婦の採血だけでダウン症を診断しようとする動きは、

ここから徐々に始まり、

現在の新型出生前診断にまでつながっています。


 このような発見が、

私たちの社会を幸せにしているのか、不幸にしているのかは、

人によって大きく意見が分かれるでしょう。


ただ、出生前診断の出発点に、

優生思想が大きく影響していることを、

忘れてはいけないでしょう。(松永正訓 小児外科医)


[yomiDr.]




出生の様々な経緯の中で、

医学も進歩とともに考えてゆかないといけないこと、

実に難しいですね。






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Last updated  2018.12.08 07:11:29
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